――あれから二週間後。
今日は、僕と夢の結婚式だ。
行動が早いのはボンゴレの力を無駄に使ったからだ。無駄に。
そして僕は白いタキシードに身を包み、夢の準備を待っている。
どうせなら白より黒がよかったけど、流石に結婚式で黒は…と沢田に止められた。
夢…ウエディングドレス着たらどうなるんだろう。
実は結構可愛いからな。たまに忘れるけど。
まあどんなでもいいか。それよりもまずは、
「おのれヒバリ…!俺はお前を一生許さねえ!!」
「雲雀くん、式の最中背後に気をつけたほうがいいですよ…クフフ」
「何しに来たんだよお前ら」
この2バカどうにかしなきゃ…。
マジで結婚式潰される。マジで。
「というか獄寺隼人、何タキシード着てるんだよ」
「夢は俺の嫁!」
「僕の嫁だよ」
「僕は認めません!認めませんよ!雲雀くんが僕の義弟または義兄になるなんて!!」
「僕も認めたくないけどね、そこは」
白いタキシード着たバカとただの妹バカ。
夢と結婚するということはつまり、六道骸と兄弟になるということ。
ここに一番覚悟が必要だったよ。
僕達ががやがや騒いでる間に、夢の準備が整ったみたいだ。
ドアが開いて、クローム髑髏が顔を出す。
「…夢の準備、できた」
「ぃよしきたァァ!!夢ー!!!」
「何でお前が一番にかけ込んで行くんだよ!!」
クローム髑髏の言葉に反応した獄寺隼人が猛ダッシュで駆けこんでいく。
それに続いて六道骸も駆け込んだ。
何で二人とも僕より速いんだ。
「ダメ」
「んぐェっ!!!」「グフっ!!!」
二人が部屋に入ろうとしたところでクローム髑髏が拳を獄寺隼人の腹にたたき込んだ。
後ろにいた六道骸は急にとまった獄寺隼人に激突した。
クローム髑髏ってこんなに恐ろしかったんだね。今初めて知ったよ。
「何するんですクローム!!」
「入っていいのは雲雀恭弥だけ…骸様もボンバーマンもダメ」
「誰がボンバーマンだ!!」
「早く入って雲雀恭弥」
「あ、はい」
さっきの衝撃映像のせいでおもわず敬語になっちゃったよ。
「キエエェェ!!!!骸様入らないでください」
「何ですか今の奇声!?十年間で初めて聞きましたよ!?」
後ろで何か揉めているがもう僕気にしない。
ゆっくり進んでいくと、真っ白なドレスに包まれた後ろ姿が見えてくる。
静かに名前を呼ぶと、色々飾り付けられた髪を揺らして振り返った。
そこには確かに僕の好きな笑顔があった。
10
ずっと一緒にいよう、なんて…ね
-end-