−−並中、応接室
「委員長、今日は転校生が来るそうです」
「ふーん、それが?」
「その転校生の名に少し聞き覚えがありまして…」
「名前?」
「はい。
“六道”という名字でして…」
「………六道、ね…」
思い出すのは、かつて並盛の風紀を乱し、自分が負けてしまったあの男。
「いかがいたしますか?」
「…その転校生、来たら連れてきて」
「はっ」
“六道”か…
あいつ本人なのか、それとも。
ただ名字が同じだっただけなのかはまだわからないけれど。
「……咬み殺してあげるよ」
自分が気に入らないければ咬み殺すだけ。
最も、あいつと同じ名字というだけで気に入らないのだけれど。
「委員長、連れてきました」
「…入って」
さぁ、本人か別人か。
どちらにせよ咬み殺すことには変わりはない。
「失礼します…」
扉が開く、十秒前。
爆弾投下十秒前
何人たりとも、咬み殺す