:)雲雀side


「沢田はナミモリランド、獄寺隼人は黒曜麺、僕は黒曜ヘルシーランドね」

「すいませんヒバリさん。なんで俺まで?」

「どうせ暇でしょ、どうせ」

「ヒバリィィ十代目にどうせなんて言うんじゃねぇ!果たすぞゴラ!!」

「獄寺くんそれ俺が暇って認めてる。俺が果たしたいよ二人とも」


ドゥルン ドゥルン


「じゃ」

「なっテメッバイク!?」

「(なんでこの人捕まんないの?)」

「先に行くよ。沢田、途中で帰ったら風紀委員全員でフルボッコな」

「咬み殺さないんだ」

「じゃあね」


ドゥルルルルン


「テメェ!!18歳になってから運転しやがれ!!犯罪だぞ!!ねえ十代目!」

「獄寺くんも現在進行形で罪犯してるけどね、煙草で」

「あ…………」

















:)黒曜ヘルシーランド


「夢?」


うっわぁ汚ッ!!!
よくこんな所で戦ったな僕。
そしてここに住んでる六道骸は一体何なんだ。


――……カタ…

「!…上の階、か…」


カツカツカツカツ、

靴の踵が床に当たる音がする。
いつもなら、音なんて鳴らさないのに。

( やっぱり、焦ってるのかな )

何に対する焦りかは、見当がついている。
ただ、それを“認めたくない”自分がいて。
心のどこかでは、焦りを否定していた。
その心でほとんどを埋め尽くしているのは、


「…夢………ッ」

「ひ、ばりさ……」


紛れもなく、今目の前にいる夢の笑顔、そして
『ごめんなさい 雲雀さん』

その哀しそうな声。それだけなんだ。


「…夢、帰るよ」

「…………」

「獄寺隼人がうるさいんだ。何とかしなよ」

「…………」

「あと、無断で学校休んだ反省文書いて提出ね。どうせ時間かかるんだから、早く帰って書くよ」

「……どこに、ですか…」

「…?」

「どこに、帰ればいいんですか…っ」

「っ!!!」


ぽろぽろと夢の目から溢れる涙。


「どこに帰ればいいんですか?わたしの本当の家はどこにもないんです!わたしが帰る場所は、どこにもないんですよ!!」

「、何言ってんの?夢の家なら…」

「あれはわたしの家じゃないっ!わたしは、わたしが帰る場所は…お兄ちゃんの所なんです…」

「だから、ここに来たの?」

「……違います。わたしは、お別れに来たんです」

「…お、別れ……?」


この子は、何を、言ってるの?


「わたしが学校無断で休んだら、きっと獄寺くんが騒いでくれる。
そしたら、雲雀さんはきっと捜すために沢田くんに聞いてくれる。
沢田くんは、絶対に“黒曜ヘルシーランド”の名前、出してくれるから。
ここで、待ってました、雲雀さんのこと」

「僕を…待ってた…?」

「わたしはこれから、復讐者に行きます。お兄ちゃん、また捕まったから」

「なっ……!?行ったって、沢田達が連れ戻すよ?」

「雲雀さん、沢田くんに伝言お願いします」

「伝言?」

「わたしは、助けてほしいんじゃないんです

罪を、償わなきゃいけないから

だから、ごめんね、って」

「…、………」

「雲雀さん、



さよなら、です」


涙で濡れた頬
赤く充血した目
震える小さな声

その顔で、夢は微笑んだ。



まるで人魚のよう
引き止めることなんて、できなかった




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