:)雲雀side
「夢が、いなくなった?」
「ああ!十代目もリボーンさんも誰も夢見てねぇってッ…!!」
「……、夢の家は?寝てんじゃないの?」
「いねぇ!野球馬鹿が朝寄ったけど誰もいなかったらしい」
「………」
ぱち、と携帯を開く。
あまり慣れていない手つきでアドレス帳を見る。
ら行の上から3番目。
六道 夢
決定キーを押して携帯を耳につける僕。
心なしか、焦っている気がする。
「(早く、出なよ夢)」
何に対しての焦りか分からないけれど。
今は夢の元気な声を聞きたいんだ。
プルルルル、プルルルル
プルルルル、プルルルル…
「………」
遅い。
いつもならワンコールで出てきて「ハァイ愛しの夢ちゃんです幅広さん!」なんてギャグかまして「雲雀だから」っていうツッコミが…
あれ僕ってツッコミだっけ?
プルルルル、プルル ガチャ
「!!!夢?」
「……ひば、さん…」
「
ヒバリ夢出たのか!?貸せ!携帯貸せ!」
「ちょっと黙れ獄寺隼人。…夢?無断で学校休むなんていい度胸だね。咬み殺すよ」
「…あのね……ごめんなさい
…“雲雀”さん………」
「―――っ夢?!!」
ガチャ、
ツー ツー ツー ツー
「ヒバリ!?夢何だって?!」
「………夢、が…僕を“雲雀さん”って…呼んだ……」
「あ?」
「……2A行くよ。沢田綱吉に話聞かなきゃ」
「お、おう?」
:)2−A
「沢田綱吉」「十代目ェェ!!!!」
「ヒィィィイ!!!二人とも顔ヤバイ!鬼どころか魔王の顔だよ!!」
「沢田、夢は?」
「十代目、夢は?」
「えっと、なんで俺に聞くの?知らないって獄寺くんに言ったよね!?」
「夢の行きそうな場所は?」
「えええ俺の話無視ですか」
「早く答えろ」
トンファーちらり。
「ラ・ナミモリーヌとナミモリレストランとラーメンナミモリと中華並盛とイタリアン・ザ・ナミモリと黒曜麺とナミモリランドと黒曜ヘルシーランドくらいです!!!」
「そう」
飲食店多い。どんだけ食い意地はってんだ。
あと黒曜もあるのか。
すっごい行きたくない。我慢するけど。
「ラ・ナミモリーヌからか……」
「その必要はないぜ!!黒曜以外の飲食店は全部探したからな!」
「黙れストーカー。威張って言うな」
今こんな状況じゃなきゃ咬み殺してたよ。
まあ、捜す手間がはぶけたけど。
残るは、
「ナミモリランドと黒曜麺と…」
“黒曜ヘルシーランド”
僕が一番、行きたくない場所だ。
消えた彼女の行方けれどいる確率は一番高いんだ