長かった午前の授業が全て終わってお昼休み、んんーっと背を存分に伸ばしてたところに、ぴょんぴょこ揺れるものが視界に入った。うわあ………….。


「なまえっ、にこちゃんのとうじょ」

『あ、アイマス見んの忘れてた』

「ちょっと!!!最後まで言わせなさいよ!」


いやいや、誰が言わせるか。にっこにっこにーなんて言わせねーよ。いっつも聞いてんだよ、それ。プンスカ怒る、クラスメートの矢澤にこをジト目で見上げる。ぴょんぴょこ揺れてたのはにこのツインテでした。まる。


「あんた、死んだ魚みたいな目、やめなさいよ」

『誰のせいで死んでると思ってます?』

「…………なまえってどこまでもにこに厳しいのね!」


おおっと!なんか演技が始まりましたよ!だけどスルーさせて頂こう。ああ、そうだ。あたし、今日購買で買わなきゃいけなかったんだ。

のっそりと立ち上がると、それに気づいたにこはきょとんとした顔をする。


「スタンディングオベーション?」

『なんでやねんっ!!』


マジな顔して言うにこに、こちらもマジになって関西弁でつっこんでしまった。


『購買行くの』

「あ、そう」


くるりとにこに背を向け、購買へと歩を早める。


スタスタスタスタスタスタ


廊下を進んだところで、歩を止める。すると、もう一つの歩も止まったようだ。


『……なんでついてきてんのよ、にこ』

「え?ダメだったの?」

『ダメ、っていうか。にこも購買?』

「違うけど、」


よくやく後ろを振り返り、またしてもきょとんとするにこと目が合う。


『教室で待ってなよ』

「嫌よ。なまえについてく」


なんで?と今度はあたしがきょとんとする番。首を傾げさせたあたしを見て、にこはにっこりと屈託のない笑みを浮かべた。


「ちょっとでも長く、なまえと一緒にいたいのよ!」

『……………そう。お好きにどーぞ』


前を向いたあたしの背に、にこは飛びついてくる。ぐおっと変な声が出て、女子力!と怒られてしまう。なんだい、女子力って?さっぱりわかんねぇぞ。


「やっぱりなまえはあたしの一番のファンね!」

『はいはい』

「でもその前に、一番の親友!」

『……………そう』


あれ?なまえ照れてる?とほっぺを緩くさせて聞いてきたにこのおでこを、ぺしっと叩いておいた。


@遅くなってしまってすみません!にこちゃんと友情とのことでしたので、なにかと悪態はつくもにこちゃんを大切におもう子と、そんな彼女が大好きなにこちゃんを書かせて頂きました!気に入ってもらえるとうれしいです///