『君の隣』 第二章 P3
「そーれーでー?」
日和はフェンスにもたれながら二人を見据えた。
落ち着いている貴俊とは違って祐二は落ち着きなく足で地を蹴っている。
「祐二、話すよ?」
「や、やっぱり止めようぜ!こんな事話さない方がいいって!」
どうしても決心がつかずに祐二は貴俊のブレザーの裾を引っ張った。
「祐〜ぅ?何それーすげぇ感じ悪ーい」
腕を組みながら祐二を睨みつけると一歩前へ踏み出した。
「俺たち友達じゃなかったの?そう思ってたのは俺だけかよ」
苛々しながら吐き捨てるように言うと日和は祐二の胸の辺りを強く押した。
よろけた祐二を貴俊が受け止める。
「ほら、祐二。ちゃんと話そう」
「わ、分かった…」
普段怒らない日和の怒ってる様子にさすがに頷くしかなかった。
でも友達が男と付き合ってるなんて知ったらもう友達なんかじゃ居られないかも。
だけど隠したまま日和と喧嘩するのも嫌だし…。
祐二はどうにもいごこちが悪くて仕方がない。
「日和…実は俺たち付き合い始めたんだ」
貴俊の言葉に日和はポカンと口を開けたまま動かなくなった。
ほれみろ…思いッきし引いてんじゃんか。
祐二は泣きたくなってしゃがみこむと頭を抱え込んだ。
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