『君の隣』 第四章 P16
「それ……嫌だって言ってるだろっ」
たっぷりとローションを絡みつかせた指を出し入れされるたびにクチュクチュと濡れた音が響く。
その音を聞く事が苦手な祐二は首を横に振りながら弱々しく訴える。
「ダメだよ。祐二のこと傷つけたくない」
「もう大丈夫……貴俊ぃ、早くっ」
「欲しいの?」
また新しい雫を垂らす先端をペロリと舌で舐めると可愛い声を上げて祐二が体をくねらせる。
そのまま脇腹やへそを舐めて上へ移動していく貴俊の舌に祐二は自分の欲望に負けた。
「欲しい……貴俊早くっ……」
「じゃあ入れてってお願いして」
貴俊は祐二の顎を持ち上げて上を向かせた。
目尻に涙を溜める祐二はだらしなく口を半開きにしたまま貴俊に手を伸ばした。
(こんなの本当は俺じゃないのに……)
けれど自分の欲望に逆らう事は出来ずに思うままに口を開いた。
「貴俊ぃ、入れて……」
甘えた泣き声の祐二に欲望を掻き立てられた貴俊はゴムに包まれた自身にローションを垂らすと先端を柔らかくなった後孔に擦り付けた。
少し押し付けただけで容易に先端を呑みこむ入り口で緩い抜き差しを繰り返し馴染ませる。
「うぅっ……」
「祐二、気持ちいい。動くよ……声、我慢出来る?」
「ん、んっ……」
祐二はタオルケットを噛むと頷いて見せた。
体の奥を持ち上げられるように奥深くに楔を打ち込まれた祐二は呻き声を上げた。
久しぶりに受け止めた貴俊の昂りの硬さに驚いて目を見開いた。
(何だよ……これ。もう裂けるっ)
歯を食いしばり目尻から涙を零す祐二は荒い息で腰を打ちつける貴俊の体にしがみ付いた。
「祐二、平気?」
「うぅっ……」
「あんまり時間掛けられない、我慢出来る?」
切羽詰った貴俊の声に体は悲鳴を上げていたが祐二は頷いた。
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