窒息続きのカーニバル
「ティナと!」
「エステルの!」
「「ドキドキ大作戦〜っ!!」」
おおぉ・・・!
2人で顔を見合わせて、嬉しくなってハイタッチ♪
だってだって、はじめて揃ったんだもん。
練習すること・・・えと・・・23回?
「ティナ・・・ついにこの時がやって来たんですね」
「うん!!ずっとみんなに内緒で頑張ってきたんだもん。ぜーったい成功させようねっ!」
「はい!!・・・それで、用意はできてるんです?」
「もちろん。これがジュディス、カロル君、リタちゃん・・・と、ユーリとレイヴン!」
ひとつひとつ確認しながら広げていく。
エステルと2人で、この計画を思いついた時から、夜中ずっと頑張ってきたんだよ。
おかげでユーリに、ちゃんと寝てんのか?って注意されたけど・・・
「私とティナが一緒ですよね?」
「うん!じゃあ、私がユーリとジュディスとレイヴンね」
「じゃあ私は・・・カロルとリタですね」
エステル楽しそう。
私達は2人でにっこり笑いあって、そっと部屋を抜け出した。
次の朝。
「な、なにこれーーーっ!?!?」
カロル君の悲鳴に、みんなが飛び起きた。
あ、もちろん私とエステルは知ってたよー。
「どうしたカロル!?」
「ユーリこそどうしたの!?」
廊下でユーリとカロル君が叫んでる。
「上手くいったみたいです」
「えへへ♪私達も行こー」
エステルと手をつないで部屋を出たら・・・びっくり。
「あら・・・なかなか素敵じゃない?」
「うおっ!?ジュディスちゃん、朝から強烈・・・っ!!」
「なんで!?なにがどうしてこうなったの!?」
「ちょっとおっさん!!まさかあんたの仕業じゃ・・・・・・」
今にもファイアーボールをレイヴンに投げようとしてたリタちゃんが、私達を見てぴたって止まる。
そしたら他のみんなもこっちを見てて・・・
「ティナ、エステル・・・おまえらか・・・」
ユーリが呆れたように、頭に手を当ててため息をついた。
さて、状況を説明しまーす!!
まず、私達が夜中も頑張ったっていうのは、服作り!
でもただの服じゃなくて、みんながいつも着てる服を作ったの。
サイズを変えたんだよ♪
「それでクマできてたのか」
「えへへー」
「大成功です♪」
ねーってエステルと笑いあう。
出来上がった服を、最初から決めてた人に着せたのは、みんなが寝てる間。
夜中にこっそりとね
だから今みんなはー・・・
ユーリがカロル君の服
カロルはリタちゃんの服
リタはレイヴンの服
ジュディスはユーリの服
レイヴンはジュディスの服・・・・・・なんだけど・・・
「おっさんのは明らかにミスだわ」
「ただの変態にしか見えねえ」
「あちゃー・・・」
「酷い言われよう・・・」
あ、レイヴン拗ねちゃった。
でも・・・うん・・・・・・ごめんなさい。
「それに比べて、ジュディスは素敵です」
「あら、ありがとう」
ジュディスはユーリの服だから、胸元が開いてて、すっごく大人って感じ!
「ユーリはー・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・です」
「なんだよその間は」
だって・・・赤いスカーフにダボッてしたズボン・・・。
「私、いつものユーリが好きー」
「私もです・・・・・・こちらもミスでしたね」
反省反省。
でもでも、リタちゃんとカロル君は似合ってるんだよ!
「カロル君可愛いっ」
「リタもかっこいいです!!」
ぎゅーって2人を抱きしめる。
「ちょっ!?・・・っ・・・もう、おっさんの服でかっこいいなんて、屈辱だわ」
「酷っ!!」
リタちゃんが真っ赤になって頬をふくらます。可愛いな〜♪
「・・・ティナも似合うもんなんだな」
「う?」
ぽふぽふ頭を撫でられて横を見たら、カロル君の服着たユーリが。
エステルの服、似合うって言ってくれた。
でも・・・・・・
「・・・いつものユーリが好きー」
ぽふぽふって頭撫でられるの、変な感じなんだもん。
「・・・そりゃどーも」
「・・・・・・」
疲れたように、ニッて笑ったユーリはいつものかっこよさがありませんでした。
窒息続きのカーニバル
(ねえ、本当に夜中に着替えさせたの・・・?)
(うん!!大変だったんだよー)
(・・・ある意味怖いわね)
(気づかなかった自分が、ね)
(で、俺たちの服は?)
(・・・・・・・・・どこやったっけ?)
(です?)
(((・・・・・・・・・・・・まじですか)))
*