郭嘉さんが来た日から二日後が休みだったので、二日間は家にいてもらった
どうやら昼時期にやっているドラマや、午後のサスペンスの再放送がいたく気に入ったらしく、帰ると内容を話してくれた
内容と言うか、私ならこうするっていう殺害方法とか嫌がらせ方法とかだけど
それを私に話してどうするというのか、少しだけ怖い
とは言え、ここ二日で御飯もしっかり食べてくれたし、常備していた鉄分サプリメントも飲んでもらったおかげか随分顔色も良くなった

そして、今日は郭嘉さんが待ちに待った外出の日だ
今日無事に外出が出来れば帰って貰っても良い気がする
本人が帰りたがってるし、というより私の胃が持たない気がするから…まあ、今日の結果次第ではあるけれど
行き先は室内型のショッピングセンター、彼がもし体調が悪くなっても直ぐに休めるようにと、駐車場が広いからという2つの理由からだ

「準備は出来ましたか?」
「これで間違いないかな、名前」

脱衣場で着替えている彼に声をかけると、見計らったかのように出て来たので、上から下まで確認してみる
白いチノパンに青いチュニック、その上に灰色のパーカーを着ていて、合ってはいる
しかし何の変哲もない、むしろ安い上に何の柄も入っていない服を着て、こうも眩しいというのはイケメンは特だと思う
私が大丈夫と頷くと、にっこりと笑みを向けられた

「此方の世界の服は着やすいし脱ぎやすいのが良いね」
「そうですね、奉孝さんの世界に比べると」
「向こうもこうなら楽なんだけど」

あえて何がとは聞かなかった
そして、もう一つの変化がある
お互いの呼び名だ
これも奉孝さんが言い出した事で、名前が私の名前と知って、それなら自分も此方で言うところの名前は奉孝だからそちらで呼んで欲しいと言われたのだ
ほぼ強制だった訳だけど、なんとかさん付けは譲歩してもらった
ちなみに知識は昼ドラである

「ついでにこれを」
「これは?」
「装飾品です」

渡したのは眼鏡だ、陸遜さんの時と同じ、黒ぶちの伊達眼鏡
陸遜さんもそうだったけど、奉孝さんはイケメン度が高すぎる
隣を歩くのもハードルが高いけど、少しでも顔を隠せばアグレッシブなお嬢さん達の目も向きづらいのではないかと思ったんだ

それが間違いだったと自覚するのは、目的地についてからだった



(ゲーム中では字の方が仲良くなってから使う名前のような扱いなので、そういう世界観という認識です)


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