キーンコーン
お昼を知らせるチャイムが鳴りガヤガヤと教室が騒がしくなる
「流しそうめんがありなら流しパスタもありだろ?」
「アヤトの考えることって本当に可愛らしいですね、今度僕とテディとアヤトでやってみましょう 」
隣から恐ろしい会話が聞こえてきた
わたしも乱入するべきか、いや……
そんなことより朝からだんまりの逆巻ライトはいったい何を考えているの?
ジッと彼を横目でばれないように見つめてる、と
わたしからの視線を読み取ったのか逆巻ライトがわたしの方を向く
すると、形のいい唇がうごく
「なぁに、そんなに見つめてきちゃって〜」
「いや見つめてないから!!」
「そんなことよりさきちゃん、お昼休みになっちゃったよ?」
「え?お、おん、なっちゃったね???」
ギラリと逆巻ライトの瞳が光る
そしてなぜかわざわざお昼休みのお知らせをしてくれた、なにゆえ?ライトくんが読めない
「……あ」
いやはや忘れてた
そういえば田中くん?小田くん?に屋上に来るように言われてた気がする。おっと昼休み2分経過、今から行けばまだ大丈夫かな
ガタッと立ち上がるとカナトくんから声をかけられた
「珍しすぎて吐血」
「何言ってるんですか気持ち悪い。お弁当食べないんですか?」
キラキラと瞳を輝かして淡々と述べる
さてはわたしのお弁当狙ってるな?
だ、だめだよ!
わたしのお弁当いつかはアヤトくんのものになるんだから!はい、あーんとかするんだから!カナトくんにあげてたらそういう関係だって思われちゃ
「気持ち悪いです二度と僕に話しかけないでください」
「 ごめんカナトくんでもわたし傷ついた」
「くれないならさっさと教室から出て行ってください」
「 いじめダメ、絶対」
わたしの言葉はお昼休みに浮かれたクラスメイト達に掻き消された、観念しますさっさと屋上行けということですね、わかります
マイハートに傷を抱えながらわたしは屋上へ向かう
「ライト」
「んふっなぁにアヤトくん」
「なんでそんなに怒ってるんですか」
「ええ〜?カナトくんまでどうしたの?怒ってる?僕が?」
「どうでもいいですが貧乏ゆすりだけはやめてください」
だって仕方ないじゃない。
僕のさきちゃんが知らない男のためにわざわざ屋上まで行っちゃったんだから。まぁ僕もそこまで鬼じゃないからその男をどうしようか、なんて考えてな……考えてたけどさ。だって仕方ないよねさきちゃんのこと好きなんだもん
「あ、ライト」
「おっおいライト!」
無意識に僕の足は屋上へと向かっていた
なんでこの僕が自分の足で移動しなきゃいけないのさ。屋上までの距離は結構ある。いつもみたいにヒュンッてかっこよく移動したいけど屋上に向かうさきちゃんを無意識に探してしまうから、自分のペースで辺りを見渡す
が、他の人たちからしたらとてつもないスピードで移動してるようにしか見えないだろうけど。僕が人間の女の子を好きになったなんてきっと誰も考えないよね
んふ、僕もこんなことがあるなんて思わなかったよ
笑っちゃいそうだもん