「知ってますかルーク」
「なんだ?」
「バレンタインデーの次の日はブラックデーといって、嫌いな人に贈り物をする日なんですよ」

 背中で聞いていた会話に興味が湧く。

「旦那、それ古くないか?」
「そうですかー?事実は事実ですよ」
「まぁそうだけど…」
「ブラックデー…」

 ぼそりとルークが呟く。

「大丈夫ですよルーク。ティアはちゃんと明日くれますよ」
「!な、別に、俺は…」
「ははは、今さらだぞルーク」
「うぐ…」

 顔を真っ赤にして俯くルークは、見ていてとても微笑ましい。
 そしてその奥に見える笑顔はかなり胡散臭い。

 この差はいかに。

「今なにか失礼なこと考えてませんでしたか、ガイ?」
「いいいいいえなにも!!」
「そうですかそうですか。あ、そうだ。ガイも欲しいですよねチョコレート」
「だ、旦那からの…?」
「えぇもちろん」

 語尾にハートマークがつきそうである。
 これはロクなことがないだろう。

「慎んで辞退させていただきます!」
「お、俺もいらないからな!」
「またまた〜」




 翌日、案の定ジェイドからのチョコに苦悶するガイとルーク。
 追い討ちにナタリアお手製ケーキがあったことは言うまでもない。






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ジェイドのチョコには多分薬かなんか入ってるかと



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