カチャカチャ

鉄と鉄が
響きあう音
すぐ近くの机と椅子に
座っているのはなまえだ
何か作って食べる、と言って
まさにルンルンという
効果音とともに作り出して早十分

「かるまー
やけろしたー」

そう言いながら
僕に寄ってきた
何て言ってるのかは大体
予想がつくけど
もう出来たのかと聞くと
微妙な表情をする
もしかしてこいつ

「なまえ、ちゃんと
冷やしてから食べよう」

「うん」

机を横見みて
どうやら杏仁豆腐を作ったらしい
それで待ちきれず食べたら
舌を火傷したと
いや食べるなよって
突っ込みたかったが泣くと
めんどくさいのでやめた
というかすでに火傷のおかげで
涙目なのだが

「いらいよー
べろいらい」

べろ、とは舌のことであって
僕の脇腹に腕を通しながら
顔を上げたなまえ
何か可愛いな

「なまえあーってして」

「??」

「ほら早く」

急かされてはてなマークでいっぱいの頭を
撫でてやり
自分の舌となまえの舌を
合わせる

「?!?!やら、よ」

顔を真っ赤にさせ
拒否しようとするなまえ
だが先ほどまで撫でてくれていた手が
自分の頭をがっしり支えていることに
気づき再びジタバタと
暴れ始める
ったく、どうせ
破廉恥とか思ってんだろうな
そう思いながら
なまえを開放する

「んむ、は!?!?
破廉恥でしょ?!?!
佳主馬のお馬鹿さん
アンポンタン」

息を荒くしながら
文句をいうなまえを
よそに僕は
ビンゴ、と思った




(火傷治って良かったじゃん)
(それとこれとは話が別!!!)
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