ペタペタペタペタペタ

裸足特有のあいつの音がする
小さい足が視界に入る
先ほどまで熱心に
読んでいたSQを
俺が座っていた場所付近に置いて
その小さい足の少女に
視線を合わせる

「燐ー見て見て!!!
しえみが着せてくれたー!!!」

その少女は裾を太ももまで
たくし上げまわってみせる

「ちょ、なまえなんか
エロいから止めろ」

少し表情が焦っているであろう彼に
その少女は構いもせず
「ちゅーしよ、ちゅー」
とせがむ
本人は普段と変わらないつもりだが
彼は和服という
彼からすればいやらしい格好で
しかも太ももが露出しているため
理性の限界が来ていた

「もーいいよ
燐はそーやっていつも
アタシを遠ざけるんだ」

「もう雪男に
してもらうから」などと
目が飛び出るような発言をし
口をタコのように膨らませ
若干涙目で拗ねている少女を見た彼は
理性を捨てその白い少女の腕を引く

「ばーか
誰がしないって言った?
幾らでもしてやるよ
ほら顔見せろって」

急に腕を引かれ
驚きを隠せずにいる少女

「い、いいよ
別にそこまでしたくないし、ね?
いやー燐ったら
慌てんぼさん」

語尾にハートがつきそうな
台詞だが当の本人は
焦りまくりである
顔は高潮して
沸騰気味でどうやら
ちゅーといういわゆるキスを
確認した上で
すると恥ずかしいということに
気づいたらしく
嫌がっているのが目に見えている

「駄目だかんななまえが
したいって言ったんだろ
ほら早く顔出せって」

思いきり顔を隠していた
腕を振りはわれ
その少女の涙目な表情が
露になる

「も、見ないでよ
恥ずかしいじゃん!!!」

これがツンデレか、などと
彼は思いながら
少女の顎を掴み
顔を重ねようとする

「やだー!!!」

必死に抵抗するが
惜しくも男と女の体力では
差がありすぎてましてや
この少女の腕は折れそうな程に
細いのであって叶うはずがない
少女はもう駄目だという表情で
抵抗を辞める
それをいい事に
早速顔を重ねようとしたが

「兄さんじゃあね
また天国で会おう」

なんて声が聞こえたあと
その部屋に銃声が鳴り響いたのを
知っている者はいない




(燐ー!?どどどどーしよう
雪男が殺人犯ー!?)
(大丈夫だよなまえ
これ安眠薬だから)
(なまえーちゅーくかー)
(もう一発実弾撃ってみようか)
(もう止めてー!!!)
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