「きもいきもいきもーい」

「なまえー静かにしろよー」

円堂から注意されるけど
今は気にしてなんかいられない
アタシがなぜ
公衆の場と言われる教室で
こんな下品な言葉を連呼しているかというと
それは今現在目の前にいる奴のせいなのです

「何がきもいって言うのさ
なまえへの愛に
真っ直ぐなだけなのに」

いかにも清純そうな
某アニメ花輪とか言う奴に
似ている
いやまだ花輪のほうが
マシかも知れない
いやどっちも嫌だけど

「勘違いするような
言い方しないで!!!
どう見ても可笑しいでしょ!!!
アタシの体操服の臭い嗅いで
ハァハァ言ってたり
アタシの物かりパクしたり!!!」

純粋なだけだよ、と
アタシからの文句?
いやこれは完全なる容疑の言葉だし
まぁそこら辺はどうでもいいけど
とりあえず目の前から
消えて欲しい


あ、円堂と風丸
どっか行っちゃった
アタシも行こう、そう思い
席を立つ
ついさっき出て行ったと言えど
追いつけるかわからないので
急ごうと思い走ろうとすると
グイッと腕を引かれた

「基山?」

「どこ行くの?」

どうしたのか、と聞く前に
質問されてしまった

「え、あ−円堂達に
つい、て行こうかなー、って」

いつものおちゃらけた感じではなく
真剣な目で質問されるものだから
こちらまで逆に戸惑ってしまう
そしてまるで行かないで、と
言ってるかのように腕の握る力が
強くなる

「で、でもやっぱり止めておこうかな」

誤魔化せたかどうかはわからないが
このままだとアタシが
どうなるかわからないので
とりあえず行かないという
意思表示をした
すると腕の力が柔らかいものを
優しく包むように、まさに
そんな感じでに握り直された
真剣だった目も
いつもとは違うけど
愛しいものを見るような
そんな目に変わっていた

「ありがとう」

驚いた
まさか基山からそんな言葉が
発せられるなんて
アタシは頭が真っ白になって
思わず教室を飛び出して
円堂達のあとを追ってしまった





(え、円堂!!!
どうしよう!!!どうしよう!!!)
(な、どうしたんだよ?)
(もーやだやだ!!!嘘でしょ!?
あんな奴を?!いや違うかも!!!
あ、でもやっぱり)
(なまえ?顔赤いぞ?)
(風丸うるさい!!!)
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