「はー俺やっぱペンギンさんいねぇと
生きていけない」

そんな台詞をアタシに言ってきたのは
ものの五分前だ
彼女のアタシを差し置いて
たかがペンギンなんかを
大切にするなんて、と言ったのも
水色頭の発言の十三秒後ぐらいだった気がする
アタシの頭ん中では
まぁあんまりこんなことを
言う気にはならないけど
大体のシチュエーションが
わかっていた
どうせ佐久間が謝ってきて
ちょっとイチャイチャするんだろうな
とかけっこういい方向の考えだった
だけど今回は違ったみたいで

「はぁ?意味わかんねぇ
俺お前のこと嫌いとか言ったか?
ふざけんなよ」

若干身体が後ろに引いた
いやものすごい早さで勝手に動いた
手が震えてる
はは、当たり前かも
だって今までの佐久間は
何してもそんな怒らなかったし
第一いつも優しくてかっこよくて
でもどっか抜けてて
テストとか抜群に悪くて
そんなことを
思ってるとふいに手を引かれた

「お前馬鹿だろ?
はーまじお前の考えることは
可愛すぎんだって」

そう言ってアタシの手首を
掴みながらため息まじりで
こめかみを掴んでいる
佐久間怒ってない?

「さ、佐久間
怒ってない?」

そうアタシが言うと
は?と言い
まさに効果音でポカーンという
音が入りそうな表情をした

「何お前怒ってると思ってたの?」

うん、と頷くと
また深いため息をされた
な、なんだよまるでそれじゃあ
アタシが

「馬鹿だろお前」

馬鹿って言うな、と撤回しようとしたら
口に何かを当てられた
驚きと若干の怒りを
隠せないままアタシは静止した

「ふんん!?」

アタシは自分の口に
目をやるとまさに
さっきまでアタシが嫉妬対象にしていた
ペンギンのぬいぐるみと
ちゅ、ちゅーしていた訳で
真っ赤になって離れると
俺とはまた今度な、とか
言ってデコピンされた

「ば、馬鹿はどっちだよ!?!?」

全然悔しくねぇよー、と
アタシの頭を撫でるこの水色頭を
かっこいいとか思ってことは
内緒である




(あーやばいなまえ可愛すぎだ)
(ペンギンさん嫉妬してごめんなさい
あの、良ければ魚のおもちゃでも)
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