「え、なに言ってんの?
せんぱいばかなの?あほなの?」

なまえが早口で目から
大量の涙を流し責め立てる
一瞬だけ真っ黒だった目が素直で綺麗な目になった

「なまえ」

「アタシのなまえを呼ばないで」

涙はいつのまにか止まっていて
なまえの目はまた真っ黒に戻っていた

「なにやってんだよお前」

壁に追いやった
それでいても
なまえは落ち着いていて
俺を艶めかしく見ていた
おかしい俺は今までにも
こうやってどんな女でも抱いた
なのになぜか今は抱くより
無性になまえを抱きしめてやりたかった
俺は可笑しくなったのかも知れない

「うるさいわ
アタシから離れて
それとも犯す?」

フフッと笑いながら
余裕の顔で俺を見下している

「誰が犯すかっつーの
んなことより
お前のやってること可笑しいぞ」

目を見て話した
腕を強く握りしめながら
するとなまえは目を見開いて
俺を突き放し引っぱたいた

「先輩は何も知らないくせに
なに言ってんの?
あんたは何も分かってない
ほんとなんにもね」

ふざけないでよ、そう言い残して
なまえは去っていった
俺は何がしたかったんだろうか
なまえを助けたい、そういう思いだったが
結局何もできなかった
そうだただ傷つけただけで何もできなかったのだ
軽い気持ちのせいで





(俺は彼女に何をすればよかったんだろうか)
(分からないまま壁を殴る)

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -