「パス!!!」

「ナイスパスだ!!!!」

地面とスパイクがさすり合う中
ベンチで一目おかれている奴がいる

「あ、どうぞタオルです」

満面の笑みがきらびやかに
コートを走る男共を止める

「なまえ、俺にもドリンク
くれないか?」

神童が嬉しそうな顔で頼むと
はい、とせっせと渡し
お辞儀を幾度となくする
まぁこの光景だけを見ていれば
微笑ましいとしかいえないだろう
だが
俺には分かる
奴の本性が

「南沢先輩、どうかしましたか?」

むむー、と萌キャラのような
声と可愛さで俺に問いかける
ここでこいつの本性を言えばきっとこいつも

「お前本当は「南沢先輩止めて下さい!!!」

きゃ、と言い俺に抱きつくなまえ
は?
きっとこの光景は周りからすれば
俺がなまえを襲っている、という
考えにたどり着くだろう
俺としたことが
またもややられた

「何やってんすか」

霧野、俺を信じてくれよ
俺を

「ありえないです」

神童、お前キャプテンだろ?
チームメイトで先輩なのに
疑うのかよ!!!!

「うわ、南沢さん」

く、倉間まで!?
これはさすがにやばいかもしれない
俺はつい三日前までは
女という女の前を通れば
絶対的に恋愛対象という目で見られていたが
ここ二日前から変態的な目で
見られている気がしている
それに引き換えなまえは
可愛がられ嬉しがられ
意味は違えど
ポジション的位置は変わらない
よって俺のポジションが奪われているとなる
クソ、俺は全く変態じゃないのに
いややはり全くとは否定できないが









「はーだから駄目なのよ
アンタはうまく立ち回って
綺麗な完璧な自分を構成しないから
それに油断しすぎよね
あれくらいアタシが男でも出来たわ
全くだめなんだから」

あのあと居場所が無くなり
サッカー塔の中のソファで
休んでいたんだが
不意に髪を撫でられたので
目を開けてみたら
なまえがいて
俺に対する説教が始まった
それが今の状態だ

「聞いてますかー?
南沢先輩?」

わざとぶってるのが可愛いくて
気に食わないが
やはりこいつは

「アタシは裏表があるって?」

クスクス、と微笑み
俺の腕を引く

「可愛いわね
そういうとこ好きよ」





(何なんだこいつ)
(クスクス、かーわい)
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