【ABCD(エビシデ)座談会】

上演時間:10分前後

(この台本は全員が 性 別 不 問 です。誰がどの性別でも構いません。
それに伴う口調変更などは、話の筋が変わらない範囲であれば好きにしていただいて構いません。
お好きに遊んでやってください!)



【登場人物(セリフ数)】

エイタ(34):ざっくりとした性格だがボケる周りを束ねつツッコむリーダー的存在。遅刻癖が治らない。

ビヤマ(22):基本まじめでエイタにボケつつツッコミも入れられるオールラウンダー。唯一のマンション勢。

シイバ(22):ボケ一色のおちゃらけ担当。酒に弱い癖にすぐ飲みたがっては変な絡み方をする。絡み酒、ダメ。ゼッタイ。

デイモ(20):他と比べ大人しい性格。だがツッコむ時はちゃんとツッコむ良い子。




【配役表】

エイタ:
ビヤマ:
シイバ:
デイモ:





【本編】

エイタ   おうおうー、みんなおまたー。

ビヤマ   お、エイタぁ。今日もジュエキ出勤かー。

エイタ   は?ジュエキって何よ。

ビヤマ   え、知らないの。社長とか部長みたいな偉い立場でもないのに、ゆっくり出勤してくる人のことだよ。

エイタ   ジュウヤク出勤なそれ!ジュエキって昆虫にでもなったのかと思ったわ。

ビヤマ   いやー流石にそれは引くわー。

エイタ   大丈夫ー俺も引くからー。

ビヤマ   まぁでも、シイバとデイモも今来たとこだし、今回はセーフにしておいてやろう。

エイタ   ははぁー、流石マンション国の国王ビヤマ様じゃー、ありがてぇーありがてぇー。

ビヤマ   馬鹿にしてるでしょ。

エイタ   うん。

ビヤマ   お前ご飯ナシな。

エイタ   なんで!?

シイバ   でもエイタの遅刻癖はいっつまで経っても治んないよね!ホントどうにかしたほうが良いよ?社会出れないよ?

エイタ   残念、もう社会出てますぅ。あ、って言うかシイバ。お前もう飲んでるだろ。

シイバ   どうせコンビニとか…アレ、工事してるとき手ぇ振って隣の車線に移す仕事でしょ?

エイタ   誘導する人な。つか人の話聞こうな。

シイバ   あんなの社会出た内に入んないって!もっと社会とか、世間の荒波に揉まれなって!会社とかで意味もないセクハラとかパワハラとか…なんか…ハラ受けとけって!

エイタ   ハラ!?何ハラ!?ハラだけ言われてもよくわかんないよ!

ビヤマ   「うぇっへっへ、シイバくぅん。いいじゃないかぁ。」

シイバ   「や、やめてください…みんな待ってるんです…っ」

エイタ   え、何この寸劇。

ビヤマ   「へっへっへ…。ほう…今日は緑か…なかなか良い色してるじゃあないか…んん〜?」

シイバ   「本当にやめてください部長!みんなが…みんなが待ってるのに…!」

ビヤマ   「いいじゃないか…どれ、私が少し味見をしてやろう…。」

シイバ   「ぶ…部長……くっ…きょ…今日は……玉露に…しました…!」

エイタ   オイオイオイオイ、ちょっと待てオイ!なんでちょっとエロっぽくしたの!?すごい僕、キワどいなーって内心ヒヤヒヤしたよ!?

シイバ   こう言うこともあるんだよってことを伝えたかったんだよ。ねー。

ビヤマ   ねー。

エイタ   …で?今のは実際にシイバが受けたセクハラの一つなわけ?

シイバ   は?こんなのあるわけないじゃーん。バカなの?

エイタ   …おーまーえーなぁー…!!!

デイモ   まぁまぁまぁ、みんな落ち着いて。やっとみんな揃ったんだから飲もうよ。折角なら乾杯の音頭とか、そんなのもしちゃってさ。

エイタ   シイバはもう飲んでるけどな。誰だよ、コイツに酔うほど酒飲ませたの。

デイモ   いやぁ、ちゃんと見てたつもりなんだけど、冷蔵庫漁ってると思ったら「うひゃあ!我慢できねぇ!俺は飲むね!!」って言ってビール一気飲みしたみたい。

エイタ   ほんと、酒に強くなかったら頭ガンガン振ってやるのにな。

デイモ   お酒の強さに関わらず、人の頭は振るもんじゃないと思うよ…?

エイタ   まぁ、デイモの顔に免じて許してやるか。ほら、ビヤマ。ビールビール。

ビヤマ   はいはーい。まったく国王使いが荒いですねー。はいよ。

エイタ   はは、さっきの国王設定まだ生きてんの?

シイバ   じゃあ私もイッケンヤ国の王とか言おうかな。

エイタ   えー、俺も一軒家だし被るだろ?シイバ、二丁目だろ?だからニチョウメ国とか、どうだ?

シイバ   そしたらほかの二丁目の人もニチョウメ国になっちゃうでしょ?

エイタ   あーそうか…。んじゃあシンプルに名前にしよう!俺ん家がエイタ国で、お前ん家がシイバ国、デイモはデイモ国!

シイバ   ……なんかコクのある芋みたい。

エイタ   コクのない芋ってあんの?

シイバ   そもそも芋にコクとかあるのかな。

ビヤマ   いや…わかんね。

エイタ   ……そういやさ。

シイバ   え?ソイヤッサ?

エイタ   違うわ。デイモって…なんて字書くの?

デイモ   え?

エイタ   いや、珍しいだろ?俺が栄える田んぼで、エイタだろ?

ビヤマ   俺が美しい山でビヤマ。

シイバ   私はよく見かける椎葉って字だねぇ。

エイタ   デイモって…どんな字か想像つかなくね?

シイバ   確かに。

ビヤマ   まぁこんだけ仲良くなって、みんなの名前の書き方を聞くとは思ってなかったけどな。

デイモ   ま、まぁね。

エイタ   で?どう書くの。

デイモ   ……出口の出に、芋。

エイタ   …あ、そのまんま…なんだ。

デイモ   うん…。

エイタ   なんか…コクのある芋とか色々言って、ごめん。

デイモ   ううん!大丈夫!別にエイタが悪いわけじゃないし!別に芋たちも気にしてないと思うから…。

シイバ   なんだろ、デイモが芋の王みたいに思える口ぶりだよね。

ビヤマ   うん…デイモ王だよな。

シイバ   もう…ふふ、芋王でもいいかもしれない。

ビヤマ   …ぶっ…いや、それは…よくないだろ。

デイモ   …な、なんかごめんね!?しんみりした空気というか…うん、なんか気まずくしちゃって!

シイバ   いや、大丈夫大丈夫!芋お…デイモは気にしなくっていいんだよぉー!

デイモ   今「芋王」って言いかけたよね!?

ビヤマ   だ、大丈夫…っふふ…デイモ…悪くない…。

デイモ   全然大丈夫じゃないように見えるよ…笑いこらえるの必死すぎて「インディアン嘘つかない」みたいな言い方になってるよ…。

エイタ   あーもー!!分かった!俺が突然変なことを聞いたから悪かったんだ!あぁ!俺が悪かった!誰か俺を殴れ!

ビヤマ   おらっ

シイバ   おっら

エイタ   痛ッ!痛い!誰かって言ったら普通一人だろ!ちょ、いった、いったい!何度も殴るなー!!

デイモ   ふ…はは…ははは!

ビヤマ   え…で、デイモ?どうした急に。

シイバ   もしかしてこういうサディスティックなのが好きなの?

ビヤマ   違うだろ絶対。

デイモ   ははは…ふふ…うん、違う…違うんだけど…なんか、楽しくて…。こういう風にはしゃいだこと、今までなかったから…。

エイタ   え、そうなのか?

デイモ   うん。ほら、私の名前変でしょ?デイモって。神様のイタズラにしても度が過ぎると思うじゃない?それで小さいころ虐められてて…だからこうして楽しく話したりご飯食べたりって、当たり前のことが嬉しくって。

シイバ   デイモ…。

デイモ   確かに「デイモって芋の妖怪かなんかじゃないのか」ってからかわれたり、小学校のサツマイモ堀りとかで小さなサツマイモ投げられたり、色々あったよ。笑われもした。だから正直さっき名前の話してた時、少し不安だったんだ。…でも、みんなだったからそれを乗り越えられた。不安よりも、みんなと居るこの時間が楽しいって思えたんだ!

ビヤマ   デイモ…!

エイタ   あー…なんだろ。すっごい良い空気なんだけどなー、感動的瞬間なんだけどなー、悲しいことにデイモでちょっと笑っちゃいそうになるんだよなー…!!

デイモ   ううん、大丈夫。思いっきり笑ってよ。むしろ、みんなが笑ってくれるほうが、私は嬉しい。

エイタ   で…デイモ…!!

デイモ   みんなに出会えてよかった。みんな、ありがとう!

ビヤマ   うわぁ…もうこれドラマとかの感動的瞬間じゃん…!…よし、今のデイモの言葉を乾杯の音頭にしてしまおう!だからデイモ、そのまま乾杯まで行ってくれ!

デイモ   え、私…が?

シイバ   そうそう、デイモが言ってくれたほうがなんか、一体感?みたいな感じ出るし。ね。

デイモ   みんな…。

エイタ   ほら、デイモ。俺腹減ってるし、喉も渇いてるんだって。だから、な。

デイモ   …うん。…それじゃあみんな。…かんぱーい!!

全員    かんぱーい!!








おしまい。



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