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 先日知り合った土方くんが新鮮野菜を持ってきてくれ、その日も暑さで練習に参加できなかった私は彼と沖縄の郷土料理やゴーヤの調理法など主婦の会話を繰り広げていた
 しばらくすると綱海くんがやってきて雷門イレブンに試合を申し込んできた、詳しい話を聞けば彼はこの間私たちとやったサッカーが楽しくて自分の島に戻ったその日のうちにサッカー部に入部したそうだ

 綱海くんの通う学校は海の上に建てられておりまさに大海原という名前にふさわしい外観だった
 リカちゃんが一之瀬くんの腕に絡みついて頬を染めているのを横目で見ていると士郎が綺麗だね、と私を見つめていた

「ええ、綺麗な海ね」
「海もだけど、ナマエも綺麗だよ」
「ふふ、ありがと」

 こういう会話にはもう慣れてしまい照れるということが無くなったのは少し残念だけど素直に嬉しかった

 サッカー部の面々が歓迎ムードを前面に押し出して登場した、乗りが良いと自負しているだけあってサッカー部の監督選手共にテンション高めだ
 そして監督同士で会話をした後すぐに試合をする運びとなったのだが、完全に暑さに負けてしまっている私はまたもや試合には出られないようだ
 ぼんやりと試合を見ているとサッカーをやっているときとは違う疲労感に見舞われ、あえなく私は眠りについてしまい、士郎に起こされたときには既に試合は終わっていた
 試合中に寝てしまうという失態をしてしまい意気消沈していると今度はみんなでバーベキューをする話になっていた、今日は忙しい日だ
 大海原のみんなが用意してくれたバーベキューは具材が大きく切り分けられているため火を通すのに少し時間が掛かるが新鮮な食材はどれも美味しかった

「はい、あーん」
「あ、いや……」

 キャンちゃんに串を差し出されてたじろぐ士郎、いつもの士郎なら笑顔を浮かべて受け取るのになぁ、この姿は何だかアツヤみたい
 よく見てもいつも通りの士郎だ、あんまり考えないようにしたいのに考えてしまう、よし、私もやってみよう

「士郎、あーん」
「ナマエからしてくれるなんて珍しいね、あーん……うん美味しい」

 うん、やっぱりいつもの士郎だった、串を持つ私の手を上から包むように握った士郎はそのまま串についた食材を食べきった
 春奈ちゃんの黄色い声は聞こえないことにしてつかの間の休息を楽しむことにした
 何でも円堂くんは正義の鉄拳を習得するために午後からは綱海くんとサーフィンで特訓をするらしい
 かくいう私も午後からの練習には参加しようと思う、さすがに暑いからって練習を休んでいてはいけない
 土門くんが立向居くんに円堂くんたちと練習しないのか尋ねると立向居くんがMFとして頑張ることとを口にしていたので私も彼のために何か手伝えることがあればと思い声をかけた

「じゃあ立向居くんは私と練習しない? 私も元々MFだし」
「はい! ありがとうございます!」

 練習してしまえばこっちのものだといわんばかりに私は立向居くんを連れ二人でMFとしての技を磨いた

「あ、立向居くんずるい、僕もナマエを一緒に練習したい」
「私たちはMFの練習をしてるの、士郎はDFでしょー」
「けちー」


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