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 エイリア学園の基地があるとかで大阪に来た私たちの目の前には巨大テーマパーク、名前はナニワランドというらしい
 基地なんてものが本当にあるのか疑問を抱くところだが、瞳子監督からの情報なので信憑性は高いだろう
 話し合った結果、手分けをしてナニワランドの中を探索することになった
 の、だが、誰かと行動するべきなのだろうかと思っていた私の肩を不意に誰かが叩いた、風丸くんだ

「おい基山、いいのか?」
「何のこと?」
「吹雪のこと」

 風丸くんの視線の先をたどれば女の子に挟まれて笑っている士郎の姿、まあ、いつものことなんだけど
 たぶん風丸くんはそのことを言っているんだと思う、たぶん私と士郎が付き合ってると思っているのだろう、まったくそんな関係じゃないのにね
 士郎が女の子に連れられて人ごみの中へと消えていったのをみんなで見てから小さく息を吐く

「ふふ、若いって良いわね」
「はぁ?」
「じゃ、私も誰かにエスコートしてもらおうかしら」

 そう言えば私に熱い視線を送っていた数名の男の子が我先にと手を差し伸べてきた、やっぱり若いって良いものね
 早かった順に二人、両手を差し出せば後ろから呆れたような声が聞こえた、士郎の時と同じ理由だろう、だってこういうのは若いうちじゃないと出来ないんだもの

 るんるんと鼻歌を刻みながら男の子たちとナニワランドを回っていると前方から士郎が歩いてきた
 あ、最後に見たときと女の子が違っている
 士郎は私を見た刹那女の子を振り払って走ってきた、どうしたのだろう

「ナマエ!」
「士郎、そんなに慌ててどうしたの?」
「行こう!」
「えっ、士郎!?」

 士郎に手を引かれどこかへ連れて行かれる、私たちの取り巻きくんたちも目を丸くして驚いている、もちろん私も驚いている

 それからしばらく引っ張られていると巨大な観覧車の前まで来ていて、空いているのを良いことに士郎は私を引っ張って観覧車の中へ、その間も士郎は無言
 観覧車の扉が閉まって、しばらく経てば景色が高くなっていく、隣に座った士郎の手が熱い

「……ナマエ、」
「ん? 何、士郎……?」
「何で、あの子達と一緒に居たの?」

 ぽつりと士郎が言葉を漏らす、私を見詰める士郎から目が離せない
 どうやら士郎は私が他の男の子たちと歩いていたのが気に入らなかったらしい
 士郎と一緒だよ、そう言って口元に笑みを浮かべれば士郎の頬がほんのり染まる、うーん、これは自惚れてもいいのよね


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