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 雷門のみんながスノボーをし始めたので私も再び士郎と手を繋いでゲレンデを滑る
 頬に風を受けながら自分も風になる感覚は心地良い、スノボーは久しぶりだけど滑れてる、良かった
 ちらりとみんなを見やれば悪戦苦闘している組と慣れてきた組で分かれている
、鬼道くんと塔子ちゃんは飲み込みが早いなぁ あら、染岡くんはやらないのかしら、士郎に突っかかった手前やりにくいのかな
 後で誘ってみ酔うかしら、なんて考えていたら腕を引かれた、士郎だ、私が余計なことを考えていたのが分かったらしい

「今は僕のことだけを考えてよ」

 唇をとがらせる士郎に謝って正面を向いて雪玉を避けていく、繋いだ手が温かい
 ふと横を見れば士郎がこちらを見つめていて、二人で見つめ合う、この時間がずっと続けばいいのに

「吹雪、ナマエ、危ない!」

 円堂くんの言葉に正面を向けば雪玉が一つ、このまま行けば二人ともぶつかる、咄嗟に繋いだ手を解こうとしたら逆に強く握られてしまった、あ、ぶつかる

「うあっ」
「わっ」

 ぼすっ、手を繋いだまま雪玉に突っ込んだ私たちはそのまま尻餅をついてしまった、いてて
 大丈夫かと声を掛けてくれるみんなに大丈夫だよ、と立ち上がる、勿論手は繋いだまま

「手ぇ繋いで見つめ合ってんなよなー」
「だって士郎が……」
「ナマエと離れたくなかったんだもん」

 塔子ちゃんの茶化すような言葉に士郎がけろりと答えた、本当に男前に育っちゃって

 その後は日が暮れるまでスノボーをして、私は途中で抜けて夕飯作りをしているであろう秋ちゃんたちを手伝うことにした

「秋ちゃん、夕飯作り手伝うよ」
「わ、ありがとう!」

 それからみんなで調理を開始したのだけど要領が悪かったり夏未ちゃんが危なっかしかったりとちょっと不安な夕飯作りだった
 生まれつき要領の良い人間だったからか私の担当はすぐに終わり、ほとんどが私と秋ちゃんが作ったという結果に苦笑いを浮かべるしかなかった

 しばらくしてスノボーを終えた士郎たちが教室に来て、エプロンを着た私を見て詰め寄ってきた

「ナマエのエプロン姿、素敵だよ」
「ふふ、ありがとう」
「独り占めしたいくらいだよ」
「心配しなくても私には士郎だけよ」

 そんな睦言をいくつか交わしてようやっと夕飯を食べ始めた


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