▼04 Game buddies. 「へぇ、弔君って敵だったんだー」 「あんまり驚いてないけどオレが敵って分かってた感じか?」 「うーん、何となくだけど。君対戦ゲーする時大抵悪役キャラ使ってたし」 「はっ。そんなことでバレるのか普通」 「いやそれだけじゃないけど……まぁ説明しにくいから説明はしないけど」 「煮え切らねー……」 数百年生きていたが故に身についた鑑識眼は彼の言動の些細な部分から一般人ではないことを見抜いていった。何れ相反する道から対立するであろうことまで判っていた。 それでもゲーマーとしての彼はただ純粋にゲームを楽しむ子供だったから、ゲームという媒体を介している間だけは友達でいられたのだ。 「名字、あいつのこと知ってんのか」 「ゲームショップで知り合って、以降オンゲ友達でした」 でした。過去形で語られた彼との関係に相澤は、そうか、と呟いて再び死柄木を見やる。 「天哉くんなら出来るよ」 “おいかぜ”を発動させたその勢いで飯田の背を押す。 「いってらっしゃい」 その時の飯田は普段よりも随分と速く走れたのだがその要因が名前であることを、彼は知る由もないだろう。 「この場は俺が引き受けるから、梅雨ちゃんは二人を連れて広場まで跳んでほしい」 「ええ。私は構わないけど……龍ヶ崎ちゃんは一人で大丈夫なの?」 「平気だよ。それと名字は慣れてないから下の名前で呼んでくれると嬉しいな」 「ケロ……分かったわ」 「それじゃあ、俺が海に入って五秒経ったら跳んでね。危ないから」 「え……?」 ヒーロースーツを着たまま美しいフォームで水に飛び込む。 水難ゾーンの水中にいた敵たちを巨大な“うずしお”に閉じ込めて、“でんじは”で麻痺状態にさせてしまえば終了だ。仮にも敵連合としてここに居るのだからこれくらいで死ぬことはないだろう。 |