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▼You're amazing!

 ああそうだ。そうだった。
 あの日伯母が、焦凍の母が私たちに言った言葉は。

『血に囚われることなんてない。こうなりたいと強く思う“将来”があるのなら……』

 リングでは焦凍と緑谷くんが対峙している。



 私は小さい頃からタイガーレディに、母に憧れていた。

「名前は将来ヒーローになりたい?」
「うん! お母さんみたいなかっこいいヒーローになって焦凍のサイドキックになる!」
「あらまぁ。うふふ、名前の目標になれて母さん嬉しいわ」

 この個性と共に仕舞い込んでいた唯一母が“母”であった時の、私の炎の個性が発現する前の懐かしい記憶。
 タイガーレディの映像を見ながら、私の“夢”を笑って喜んでくれた母の笑顔。

 あの笑顔が何よりも好きで、母が何よりも大好きだった。

 こんなに大切な思い出を、何で今まで忘れてしまっていたのだろうか。

「焦凍!」
「? 名前……?」

「“なりたい自分になっていいんだよ”」
「!!」

 やっと思い出せた。


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