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R-18 ラブホで

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飛行機を下りて携帯の電源を入れる。新着メールが1件。直前までメールをしていた風丸からだろう。確か、到着時刻を聞かれたので21:00頃に空港に着くとメールしたのだ。
『じゃあ迎えに行ってもいい?』
風丸からのメールにはそう書かれていた。
あーあ、一足遅かったな。
もう一通早く返信していたら、風丸は迎えに来れただろうに。そう思いながらさて何て返信しようかなと、荷物を受け取りロビーへ向かう。エスカレーターを下りながらふとロビーを見ると、ソファに見慣れた青色の長い髪。
「フッ…」
後ろから出てって驚かしてやろうかな、なんて考えているとクルンと青い髪が揺れた。立ちあがってこちらに手を上げる。つい口元が弛んでしまうのを抑えながら風丸の元へ向かう。風丸もこちらに駆け寄ってくる。

向かい合わせになると、今まで色々と考えていたはずの再会のセリフが全部すっ飛んでしまった。
「さっきメール見た」
「ごめん。勝手に来ちゃって」
「明日会うのに。わざわざ来なくても」
「…1日でも早く会いたくてさ」
風丸は俺を真っ直ぐ見つめてくる。思わず目を逸らすと巨大な掲示板が目に付いた。現在の時刻は21:30を指している。
「ま、待っただろ?」
「1年会えなかったんだ。1時間くらいどおってことない」
「…お前、相変わらずだな」
「お前もな」
2人で笑いあう。
「なぁ、とりあえず飯食わない?あ、もう食べちゃった?」
「いや、いいぜ。俺も腹減った」
「上の階行ってみよう」
床に置いておいた俺の荷物を勝手に持って風丸が歩き出した。



高校を卒業してヨーロッパに渡ってからは、1年に1度か2度しかこちらには戻って来ない。その度に必ず1日は風丸と会うために空けている。風丸も、平日だろうとその日は丸1日俺の為に時間を取ってくれる。俺達は中学の時から付き合ってはいるのだけれど、今ではもうこんな関係だ。年に1日か2日しか会えない…恋人。風丸は相変わらず甘ったるい言葉をくれるけれど、それもいつまで続くのかとか、いつまで風丸は俺を優先してくれるだろう、とか…って俺らしくねぇ。
そういえば今日は2人が20才になって初めてのデートだ。俺は居酒屋に行くことを提案した。ちょっと大人びた、小洒落た居酒屋のカウンターで乾杯をすれば、あぁ、俺達成長したなぁ、なんて。
「そういえば、髪、解いたんだ」
「ん?そうそう。この方が大人っぽく見えるだろ?」
風丸は定番のポニーテールを解いていた。左目を前髪で覆い隠すスタイルはそのままだが。
「あぁ、まぁ…あんま変わんねぇと思うけど」
「えー、じゃあまた結ぼうかな」
「切れば?」
「切ったら俺ってわかんないだろ」
「はぁ?そんなことねぇよ」
「でもやっぱり、この長い髪目立つだろ?お前だって今日、すぐ俺を見つけてくれたし」
風丸はニコッと俺に微笑んだ。
ドキッ
1年会わないだけで、こんなに大人っぽくなるもんなんだな。
酒のせいだろうか少し頬が熱くなってきた。
「…不動?」
「あ、何?わりぃ、聞いてなかった」
「なんだよもー。今日どこに泊るんだ?」
「あぁ、そこらへんのビジネスホテルでもとろうかなって」
思ってたけど、でも
「調べてやろうか?」
そういって風丸はポケットからスマートフォンを取りだした。
「……じゃあさ」

「男同士で入れるラブホテル探して」

スマートフォンを操作していた風丸の手が止まった。その停止時間があまりに長いので思わず風丸の顔を見ると、その顔はびっくりするくらい真っ赤になっていた。
な、なんだよこんな反応されたら俺の方が照れるじゃねぇか。
「…嫌ならいいけど」
「っ…ぁーくそ…もう…お前は…」
風丸は手で口を抑える。チラッと俺の方を見て、すぐに目を逸らす。
「嫌だなんて言うと思うか?」

そんなわけで風丸との初ラブホテルと相まったのだ。




誘ってはみたが実はラブホテルなんて行ったことがない。風丸に連れていかれて裏路地に入る。ビクビクしながら風丸の後ろについていきなんとか誰とも会わずに部屋の前まで来れた。フロントはあったが誰もいないし、他は自動で風丸はモニターとかをなんか色々やっていた。俺は風丸の後ろでうつむいてたんでよく見てねえ。
「えと…あ、ここだ」
ガチャ
「お、おい…高いんじゃねぇの?」
部屋は想像してたよりずっとずっと広かった。俺の暮らしてるワンルームの倍はある。しかも何かいい匂いがする。鬼道くん家みたいな、高級な匂いだ。部屋はモダンな雰囲気でまとめられていて、壁もベッドも新品のように綺麗。ついでにベッドの横の巨大な鏡もぴっかぴか。
「そんなことないさ」
風丸はコートをソファにかけてシャツのボタンに手をかける。俺も上着を脱いでソファに腰掛けた。風丸がすぐ隣に座る。
「なんか…こういうの新鮮だな」
「ん」
「不動緊張してる…」
「お前こそ」
「あはは、やっぱりわかるか。…なんだか、初めてお前と繋がった時とか…思いだしたり」
風丸はそう言うと俺の手に手をそっと重ねた。
「不動の手、1年ぶり」
「1年なんてあっという間だったな」
「嘘。俺にはすごく長かった…」
風丸と1年ぶりのキス。懐かしいような、いつものキスだ。
チュ
あぁ…うん。やっぱり久しぶり。
正直こういう甘ったるい空気は苦手なんだけど、1年に1度の今日くらいは風丸の好きにさせてやろう。
繋いでいないほうの風丸の手が俺の腰を撫でる。そこから手を上へ這わせていくのが風丸の癖、というかいつものパターンだ。俺も体が疼く。左目を覆う風丸の前髪に触れ、そっと髪を掻き分ける。
「…ごめん」
「ん?」
「早くしたい」
風丸はそう言うと俺のベルトに手をかけ、器用にカチャリとそれを外す。ボタンとファスナーも手早く脱がされた。
まぁでも少し焦らしてやろうかな。
「なに焦ってんだよ」
ズボンの中に入り込むところだった風丸の手を押さえる。風丸はめずらしく口をへの字にして不満を露にする。
「時間ない」
「明日もあんじゃん。お前ん家、泊めてくれんだろ?」
「2晩じゃ足りないよ。1年分溜まってるんだぞ?」
「お、おいおい」
風丸は真剣な顔でそう言った。軽く身の危険を感じる。
「ここならいくら声上げても平気だから、お前も気兼ねなく鳴けるだろ?」
「なっ…!」
やばい。風丸はいつになくやる気満々で、しかも1回や2回じゃすまなそうな口ぶりだ。そっと逃げようとしていた俺の腰をグイッと抱き寄せる。風丸の手が俺の体を這いだした。一つは服の中を腰から胸へ、もう一つは内腿から秘部を撫でる。
「っ…待っ」
「不動が目の前にいるのに…待てだなんていじわる言わないで」
チュッと耳元にキスを落とされる。
「ぅわっ!?」
一気にズボンと下着を脱がされ、下腹部が晒されてしまう。
「っ…風丸」
「すまん!大人しくしてて…俺、本当もう…我慢できないんだ」
風丸は早速俺のペニスに手を伸ばす。軽く身動ぎすると強く肩を抱き寄せられた。
「そんなにしなくても逃げねぇよ」
急いた風丸にそこを少し乱暴に擦られる。俺も他人に触られるのは1年ぶりなのであっという間に反応してしまった。風丸は手を止める様子はなく、俺のそこを擦り続ける。情けないがイキそうになって、ぎゅっと目を瞑ると気づいたのか風丸の手の動きが遅くなった。
「久しぶり?」
「あぁ?当たり前だろ」
俺を愛撫する風丸の手を握ると、それは俺の先走りですでに濡れていた。
「もうビチョビチョだな」
「…AVかよ」
風丸が目を細めて微笑む。行為中風丸が笑うのは俺が感じている時だ。俺の蕩けた顔を見るのが嬉しいらしい。機嫌のよくなった風丸についでにおねだり。
「なぁ、ベット行きたい」
「だーめ」
そう言うと風丸はグイッと俺の両脚を持ちあげた。ソファの下で膝立ちになっている風丸の肩に両足を乗せる形になる。
「っ…!」
さすがにこの体勢は恥ずかしい。風丸に秘部を丸ごと見られている上にクチュクチュという卑猥な音も聞こえ易くなった。当の風丸は俺を思い通りに出来て相当な上機嫌だ。
「一回イク?」
「んーん…お前と一緒にいく」
「ありがとう」
風丸は俺の先走りで濡れた指で俺の蕾に触れる。入れるというよりも入口をなぞる様に弄られ、体が焦れる。
「はっ…あ…」
俺の体もずいぶん飼いならされてしまったようだ。指を入れられただけで感じてしまい、腰が動いてしまいそうになる。
「気持ちいい?痛くない?」
「ん、平気…アッ!」
中の弱いところに触れられ、思わず声があがる。つか、こいつわざとだ。俺にしゃべらせて声を出させようとして
「てめぇ…ぅ…んっ」
俺の中を掻きまわしていた指が2本に増える。きつい。しかし風丸はおかまいなしに奥まで指を進めていく。あぁ、やっぱり自分でするより奥に来る。体が熱くなる。長く骨ばった風丸の指。風丸は至極楽しそうに俺を見つめている。
「アッ…んあ…ふぁっ!」
口を手で押さえても体が反応して声が漏れてしまう。そこを押されるたびにビクンビクンと体のどこかが跳ねる。何度でも反応してしまう自分が恥ずかしい。
「もう…いいよな?」
「!!」
ドクン
うわ、なんだよ俺めちゃくちゃ期待してる。
「無理だったら言えよ?」
風丸はいつの間にか自身のそれを取り出してしごいていた。俺をソファから下して立たせ、ソファに手をつかせる。
「ベット行きたい」
「だめ」
風丸の手が腰に添えられる。熱いモノが俺の蕾に当たる。
「ずっとこうしたかった」
風丸の手に力が入ったのがわかり俺も思わず身構える。
ずぷ…
「っ…く…!」
久々の感覚だ。風丸の肉棒が俺の中に入ってくる。
熱い、熱い、熱い
ぐぐぐ…
「ひ…っ!」
くそ、痛い…つかこいつ1年前よりでかくなってる!
風丸が俺の上に覆いかぶさる。肩を持って抱き寄せられ、ますます風丸のものが奥に入ってくる。
「うぁっ…あ、かぜまる…!」
「あと少しだ…!」
風丸は俺の耳元で囁く。荒い呼吸も聞こえてきた。指の届かなかったところまで風丸が入ってくる。認めたくないが自分の体が悦んでいるのがわかる。
「あ、もう…すまん」
「は?ぅああっ!?」
風丸がいきなり腰を動かし始めた。必死にソファにしがみつく。
「ば…っか…そん、アッ、うあ、あ」
「だって、我慢できない…!」
風丸の律動が速くなる。潤滑液も十分でなく、入口がひりひりと痛む。
「あ、いだ…痛い…っ!」
「ごめん」
ごめんじゃねぇだろ!
ぐちぐち、と痛々しい音が聞こえてくる。耳を塞ぎたくなるが風丸の荒い呼吸は聞いていたかった。
「かぜ、ぁ、風丸…かぜま…アッ」
名前を呼ぶと痛みが徐々に快感に変わっていく。
「不動…ぁあ…不動、不動」
風丸の顔を見ようと後ろを向くと頬にキスをされた。そのまま体を重ねた状態で揺さぶられる。
「不動、気持いい?」
「っ、い、いてぇ…!」
「ごめんな、今、気持ちよくしてやるから」
ソファにしがみつく俺の手をぎゅっと風丸が握る。
あ、このパターン
「ひっ、アッ!?あぁアぁぁああっ!」
風丸の肉棒が俺の弱いところを何度も突く。
「うぁ!アッ!やっ、やめ」
「ここだろ?不動変わってないな」
1年ぶりの刺激に体がバカみたいに反応してしまう。足はガクガク震えて頼んでもないのに目からは涙が零れていた。
「うあ、はァ、アっはぁあっ!」
「気持いのか?俺も、すごく気持ちいい…!」
そのセリフを聞いて嬉しく思ってしまう俺は重傷だ。ピンポイントで強く何度も何度もそこを突かれ、その度にビリビリと全身を電流のような刺激が走る。
ジュプ、ジュプ、ジュプ
いつの間にか俺達の結合部からは生々しい水音が鳴っていた。
やばい、気持いい 気持いい 気持いいっ
ガクン!と俺の脚が崩れ落ちた。風丸に支えられ行為が続く。口から漏れる声がたまらなく恥ずかしい。必死に口を押さえると今度は酸素が足りなくなる。
「ひぁあ!かぜ、ま も、ぅ も、だめ…だめ」
意識せずにそう鳴いてしまう。風丸はそんな俺の懇願にむしろ余計に興奮してしまったようで、俺の中で暴れるそれが大きくなったのがわかった。
「ぁああ、もう、もう…!」
前は触られていないのにそこが限界を知らせてくる。
「待って、一緒にいこう?」
風丸の律動が一層激しくなる。ボタボタと涙がソファに落ちた。皮でできたソファには俺の涙や唾液の混ざった水たまりができてしまっている。
「うぁああ!ばか、ばか!てめぇ…!」
「ぁあ…すまん…」
頭の中もグチャグチャになって、俺はもう鳴くことしか出来なくなっていた。
「ひあ、あっ、アッ、あ、アぅう〜〜!」
「暴れないで、俺も…あと少しだから」
風丸の息がますます荒くなる。俺を貫くペニスも一層硬くなり、絶頂が近いことを知らせる。風丸が俺のものにようやく触れてくれた。そこはもうビチョビチョに濡れていて、軽くなぞられるだけで達しそうになる。
「明王、好き…愛してる」
「!!…ひぅ…ぅあ…〜〜っ!」
しゃべれない代わりに俺はコクコクと何度も頷いて見せた。
「ありがとう…ぅっ、んっ…くっ!」
「はっ…はあアぁああっ!〜〜〜ッ!!」
風丸が先に俺の中で達した。ドクドクと熱い欲が俺の奥に吐きだされる。そのあとすぐに俺も風丸の手の中で果てた。
「ハァ…はぁ、はっ」
風丸の腕の力が抜けて俺は床にへたり込んでしまう。その拍子に風丸のものが抜け、軽い喪失感に襲われる。
「不動…ありがとう…」
風丸はぐったりとした俺を軽々持ち上げると使わなかったベッドに寝かせる。息を整えている間にシャツを脱がされる。風丸もシャツを脱いで裸になると俺の隣に寝そべる。疲れた。
「不動、もう一回いいか?」
「…は?」
風丸はさっと起き上がり俺の片足を持ち上げると、再び俺の蕾に硬いものをあてる。
「なっ、おい!」
「不動、俺の…零れてる」
「っうああ…!」
逃げようとしたが体が上手く動かない。あっさりと風丸に捕まって再び中に埋め込まれてしまった。
「ごめん、不動に会えて喜んでるみたいでさ…治まらないんだ」
背筋が寒くなった。風丸がすぐに動き出す。
「てめ…ゆるさねぇ…!」
精一杯睨みつけても風丸は楽しそうに微笑むだけだった。







「…ん…ぅ」
重たい瞼を開けるとベッドに横たわる自分の姿があった。大きな鏡だ。
あ、そかラブホテルにいるんだっけ
ベッド横の時計は朝の5時を指していた。寝がえりをうつが隣に俺を散々抱いた男の姿はない。俺の記憶が正しければ昨晩は風丸に何度も何度も抱かれて…事後の記憶はないので恐らく俺は途中で気絶したのだろう。俺の体は綺麗に拭かれていたがベッドはぐしゃぐしゃでシーツも所々湿っていて気持ち悪い。体を起こすとやはり腰と尻が痛んだが、なんだかそれも久しぶりで少し嬉しかった。風丸はソファに座って何か読んでいる。ばか。隣にいろよ。
「がぜま…っ」
うわ、声が枯れてる。
「あ、おはよう」
風丸はニコニコしながら俺に近づいてくる。
「声が枯れた」
「本当だ!ごめんな」
そう言うが顔は全く反省していない。髪を撫で、頬を撫で、唇を指でなぞられる。ふわりとキスをされ、ぎゅ〜っと抱きしめられる。
「苦しい、腰痛い、尻痛い」
「…じゃあもっと帰ってきて」
「!」
風丸はすごくすごく小さな声でそう言った。今までそんなこと直接言ったことなかったのに。
「……日本とは文化が違ぇんだよ。休みだって違っ」
風丸の俺を抱きしめる腕がますます強くなる。
「すまん。わがまま言ったな…」
「…わかった」
「今よりもう一回くらいは…多く帰って来れるようにする」
「不動…!」
「ただし!交通費半額お前持ちな」
「わかった!不動と会えるなら…あ、俺がそっち行こうか!」
風丸は髪を揺らしながらベッドの上で軽く跳ねて喜ぶ。こーゆーとこはガキっぽいままなんだよな。
やっぱまだ俺達にはラブホテルなんて不釣り合いかな。
ふとベッド横の鏡に映る自分が目に入った。風丸に再び抱きつかれ頬を赤くした俺は、髪は伸びたけれど中学のときと対して変わらない気がする。
風丸といるときは。
いつまでも変わらない俺達で
って、うわあ何恥ずかしいこと考えてんだ俺!

「?どうした?顔真っ赤だけど」
「なんでもねぇよ…」
ふと隣を見ると、鏡には顔を真っ赤にした20才の自分が映っていた。
END
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みなさんお久しぶりです!新生活始って、初の小説です!
本当に本当にリクエストしてくださった方に申し訳なく思…
今回のリクエストはラブホということで、リクエスト貰った当時は「中学男子でラブホ!?…行けるのか?」って思ってたんですが、まぁまさかこんなことになるとは!
風不の状況もあの時とは変わりましたな。24歳なら堂々とラブホいけるぜ!
リクエストありがとうございます!
2012/04/22
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