※設定
風丸×不動。付き合ってます。
高校2年生。別々の学校。
GOを無視したオリジナル。

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「みてみて」
いつもの平穏な午後。不動がめずらしくわかりやすい構ってサインを出してきた。
「ん?」
振り向いて俺のベッドを贅沢に占領する不動の声に耳を傾ける。
「スカウトされた」
そう言って不動は一枚の名刺を俺の目の前に出した。
名前の次に目立つ字で、大手出版社の名前と、俺でも知ってる有名雑誌の名前が刻まれている。
「読モやんねーかって」
「毒藻…?」
「読者モデル」
「あぁ……え!?モデル!?」
驚く俺を見て不動は満足そうだ。
その表情を見て一瞬不動の冗談かドッキリかとも思う。よく考えれば不動がそんなことをするはずがないなんて答え、簡単に出るのだがそれができないくらい俺は混乱していた。不動はなんとうちに来る途中の、稲妻駅前でスカウトされたという。「稲妻駅にスカウトマンなんているんだな」なんて笑いながら話していた。
「ももモデルって…え」
「そんなに驚くことじゃねぇだろ。ほら、俺かっこいいから」
「………」
「笑えよバカ」
不動から名刺を取り上げる。不動は取り返そうとはせず、また黙って雑誌を読み出す。
空きスペースには手書きで携帯番号が書かれていた。冗談ではないようだ。
あ、そうかだからその雑誌
「その雑誌…」
「そうそう」
めずらしくファッション雑誌なんて読んでるのを不思議に思っていたが、名刺にも書かれている不動がスカウトされた雑誌のようだ。
それも取り上げるとさすがに不動が怪訝な表情を見せたがそれどころではない。
不動が読者モデルに…。
単純な驚きと、自分の恋人が認められたような嬉しさが入り混じる。あと大きいのは、寂しさ。
「……すごいじゃないか!」
「ハイ無理してる」
即座に指摘され思わず苦笑する。でも、他になんて言えばいいんだ。
「でもすごいと思ったのは本当」
「そ?そりゃどーも」
もう一度雑誌の中のモデルと不動を見比べる。そりゃ不動がこの雑誌に載っているどのモデルより魅力的だし服だって似合うだろう。
「…やるの?」
「やろうかなって。服着替えるだけで金もらえるなんて最高じゃん?」
不動らしい考え方だ。
「バイトもういっこ始めたいって思ってたし」
「バイトならもう沢山してるじゃないか」
「足りねぇもん」
不動は大学に行くために学費を貯めている。この後だってファミレスでのバイト。朝は新聞配達。土日は派遣のイベントスタッフ。
毎日毎日心配になるほど働いていて、大丈夫かと心配しても不動は「大丈夫」としか返さない。
そしてもう一つ、素直に不動を応援してやれない大きな理由は
「また、会える時間が減るね」
あぁもうどうして俺は自分のことばかりで。恋人を素直に応援してやれないのだろう。
不動が読者モデルになる。俺との時間を削って全国誌に載る。俺の知らない場所で俺の知らない人達に囲まれて仕事をして…って、こんなことだから独占欲が強いなんて言われるんだよな。
「我慢しろ」
「………はい」
俯いた俺の頭を不動がポンポンと優しく叩く。
「…お前と同じ大学行きてぇから。一年くらい我慢しろっての」
「え」
同じ大学?
「な…それ、初耳」
「まぁ…なんつーかあそこはカリキュラムしっかりしてるし、就職率も」
「ありがとう!」
「ばっ…別にお前のために行くわけじゃな」
「わかってる!」
不動は俺から雑誌を取り上げ、真っ赤になった顔を隠した。

そうして不動の読者モデル生活が始まったのだった。

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GOで風も不も出てこないストレスから書きました笑笑
始まったのだった。
とか書いてありますが続きは期待しない方向でお願します。笑
2011/05/19
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