リクエスト内容!→
甘め、R18(両方かどちらか)。日本代表終えて高校に上がった辺りで、二人になる機会が減ったなーとかだらだらどちらかの家の部屋で…

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やはり、せめて同じ高校に行くべきだった。





不動は俺とは別の高校に進んだ。一人で、やりたい事があるのだと言って。雷門生も帝国生もいない、自宅から電車で一時間以上かかるような高校へ通っている。
雷門中にいた頃は、毎日2人で過ごした。人気のない階段で弁当を食べたり、一緒に帰ったり。まだ卒業して1年も経っていないのだが、あの頃がずいぶんと懐かしい。
今はお互い部活だとか課題だとかで忙しく、会えるのは基本的に週2回。金曜と日曜。
ちなみに今日は金曜日。


ピンポーン…


ガチャ、と重い扉を開けると制服姿に口元まですっぽりとマフラーで覆った不動が立っていた。あぁ、いつもこの瞬間が幸せでしょうがない。

「おかえり」
「それやめろって」
「え」

呆れた、と目で訴える不動を見て、もしやと思う。

「俺、今『おかえり』って言った?」
「無自覚かよ」

口元はマフラーで見えないが、笑っているようだ。不動は小さく「オジャマします」とつぶやいて玄関をくぐる。

「今日家族いないから」
「俺も明日、部活休み」
「じゃあ、泊まってくか?」
「どーしよっかな」

不動はフッと笑った。ああ、どうやら不動に試されているようだ。

「……泊っていけよ」
「初めからそう言えばいいんだよ」











2人で肩を並べて夕飯を食べる。メニューは俺が用意しておいたビーフシチュー。

「……ぅまい」
「ん?」
「何でもねぇ」

同棲とは、こんな感じなのだろうか。なんて思う俺は相当溺れている。

「ずっとこの時間が続けばいいのに」
「ちっ…バカ」
「え…あ、声に出てたか?」
「はぁ?また気づいてねぇの?どうかしちまったんじゃね」

言葉とは裏腹に、不動の頬がじわじわ赤くなっていく。腰に手を回して抱きしめる。出会った頃は同じくらいだったが、今では俺の方が10センチばかり背は高くなった。不動も少しは背が伸びたらしいが、体が細いのは相変わらずで。特に、今抱いている腰は折れてしまうのではないかと不安になるくらい細い。

「食事中」
「すまん」

それでもなんだかたまらない気持ちになって、首筋にキスを落とす。反応がなかったので続けて首筋を舐めて、腰に回していた手を不動の腹に這わせる。

「食事中だっ!」

そう言って思い切り振り払われた。普段『所構わず』なのは不動の方だと言うのに。小さく「仕方ないな」とつぶやいて、食事を続けるわがままな恋人を見つめる。

「不動、学校どう?」
「ん」
「楽しい?」
「…お前がいねぇからつまんねー」
「えぇ!?」
「ウソ」
「え」
「それなりに楽しくやってますよ」

俺の反応を横目で見て、不動は満足そうに笑った。
実は一度、内緒で不動の通う高校へ足を運んだことがある。早めに学校が終わったので不動を迎えに行って驚かせようと。一時間程待って校門から出てきたのは、同級生に囲まれた不動だった。鬱陶しい、と言うような演技をしてはいたけれど、なんだか楽しそうで。情けないことに、俺は声をかけることが出来なかった。わがままかもしれないが不動には…俺だけでいい。

「お前は?学校」
「ん?そりゃ…不動がいないからもの足りないよ」
「はいはい」
「本当だぞ」

不動のビーフシチューが残り少なくなってきたのを見て思い出した。冷蔵庫の中から小さな箱を取り出す。縁の金色のシールをゆっくり剥がして箱を開ける。中には小さめのケーキが2つ、寄り添うように入っていた。

「ケーキ、俺の高校の近くに評判の店があって」

不動は箱のなかを覗き込む。俺の予想では不動は右のチョコレートケーキを選ぶ。

「こっち」

はい当たり。

「紅茶か何か、煎れようか?」
「ん?…いい」

平皿にケーキと小さめのフォークを一つずつのせて、再び不動の隣に腰を下ろす。ビーフシチューを完食した不動は早速チョコレートケーキに取りかかり始めた。

「どう?」
「ん…まぁまぁ」
「そ、よかった」

カチカチとフォークが皿にぶつかる音が部屋に響く。
こういうゆったりした時間も嫌いではないが、早く、もっと不動に触れたい。焦りすぎだろうか。5日ぶりというだけでこんなことでは先が思いやられる。学年が上がればさらに忙しくなって、会える時間も少なくなるだろう。

「お前のそれ何?」
「え」

不動は俺のケーキを見ながら言う。

「あぁ…たしか『桃のシブースト』とか、そんな感じの」
「ふうん」
「一口いる?」

一口分を不動の口元にもっていくが、体をひいて拒否された。

「どんな味?」
「うーん…」

不動のことを考えていたせいで、すでに3分の2を咀嚼したにも関わらずほとんど味を思い出せない。不動の期待の眼差しを受けて、もう一口、口に運ぶ。

「んっ…!」

クリームが口の中で溶け出すより先に、侵入してきた不動の舌に根こそぎ舐めとられてしまった。クチャクチャといやらしい音を立てて、不動の舌が俺の口内で好き勝手暴れる。こっちの呼吸のペースなどお構いなしだ。

「ぷはっ」
「…ん…白桃だな」

息を荒げながら不動が言った。あぁ、確かに白桃のクリーム。

「一口やるって言ったのに」
「お前の口ん中のが欲しかったの」

不動は俺に見せつけるように、わざとらしく舌なめずりをした。

「お前って、気まぐれなとこあるよな」
「気まぐれ?わがままの間違いじゃね」
「そう言うと怒ると思ったのに」

舌をゆっくり絡める。濃厚なチョコレートの味がした。
不動のダークグレーのセーターのボタンを手早くはずす。次にシャツ、の前にワインレッドのネクタイか。順よく脱がしていくと、やっと不動の白い肌が見えた。シャツの間から手を入れて、丁寧に腰を撫でると、不動は焦れたように甘く鳴いた。

「あんまり誘わないで」
「はあ?誘ってなんかねえよ」

腰から薄い胸板に手を這わせる。突起に指があたると、不動は体を震わせた。右を軽くつねってやると、今度はピクンと跳ねる。

「ん…っんぅ…」

徐々に立ちあがるその突起を優しく指で捏ねれば、不動はまた熱い息を吐く。
自宅のリビングで行為を進めることには少なからず抵抗はあったが、不動の肌に触れてしまえばもうそんなことどうだってよくなった。

「…ここですんの?」
「不動がいいなら、ここでしたい」
「俺が拒否すると思う?」

不動はそう言うとスルッと俺の下から抜け出して膝の上に乗った。

「だめだ、今日は俺がリードする」
「やだよ風丸クンとろいんだもん」
「と…っ!?…そんなこと初めて言われたぞ…」
「今日は早く繋がりたいの」

不動は俺の下腹部を、円を描くようにして撫でる。

「じゃあ、今日は不動に任せようかな」
「おー…じゃあ風丸クンにもしてやるよ」

不動は右手で俺のシャツをたくしあげ、舌を胸に這わせた。舌で胸の突起をいやらしく舐める。刺激よりも、不動のその姿に欲情した。自分に奉仕しようとする姿がたまらなく愛おしい。不動に撫でられているそれはどんどん熱くなって、あっという間にきつくなっていく。俺のそこがどんどん膨らんでいくのを、不動は楽しんでいるようだ。

「だめ、我慢できねえ」

不動は俺のズボンを一気に下した。剥き出しになった俺のモノを見つめて楽しそうに笑う。
指でカタチをなぞって、鈴口に爪を立てる。ビリッと強い刺激が体を貫いた。

「うっ」
「あはは!なあ…早くいれたい?」

ベルトを外し、不動はわざとらしくゆっくり下着を下す。露わになった不動のそこを優しく指で撫でる。トロっとした液が指との間で糸を引いた。

「触ってないのに」
「うるせー」

不動は自分の後ろに手をやった。思い通りにできないのだろう、もどかしそうな表情を浮かべている。わかっていながら俺は手伝わない。不動が俺の家のリビングで、俺を欲しがって悶えている。こんな状況、目に焼きつけないでどうする。
我慢できなくなったのか、不動は早々に俺のを手で立てて、ゆっくりそこに腰を下ろす。

「早くないか?」
「嫌なのかよ?」

俺の先端が不動の窪みにあたる。ずいぶんと硬く口を閉ざしたそこに、俺のものを無理矢理押し付ける。

「無理するな」
「うるせえっ…!」

ググッと不動の中に俺のものがねじ込まれていく。

「っう!う…ぁ…!」
「不動」
「ん…っく!」

不動は一気に体重をかけた。ズプッと肉を割った感覚がした。
息もつかない内に不動はさらに奥まで俺を咥えていく。

「ぅあ…ハァ、あ…は…っ」
「…どうしたんだ不動?」
「っ…動くぜ」
「おい」

不動は俺の言葉を無視して腰を動かし始めた。中を掻きまわす感触がたまらない。俺自身がまた大きくなった。突きあげたいのを抑えて、俺の胸に置かれた不動の手を握る。

「ハッ…あ、ア、ア」

グチュッ グチュッ

リビングに卑猥な水音が響く。不動は必死になって俺の上で跳ねる。しかし次第に腰を振るリズムは落ちていく。手は震えて、目からは今にも涙が零れそうだ。

「や、ぁ…かぜ、ま…る」
「なに」
「き…っきもちい、か?」
「きもちいよ」

ついに不動は動きを止めて、ハァハァと荒い息を整える。

「もう終わり?」
「っっ〜…てめえ…!」
「うんうん。ごめんごめん」

苦しそうに腰の動きを再開させるが、それもすぐに止まってしまう。もう限界なのだろう。

「う…も、う…っ」
「動けない?」

不動はめずらしく素直に、何度も何度も頷いた。今日はとびきり素直で可愛い不動にご褒美をやろう。

「ひっ!ぅあ、はっ、あ…!」

俺が下から突き上げると、不動は慌てて口を押さえた。ぐにぐにと柔らかい内壁を犯す。不動の肉を抉る快感がさらに俺を突き動かす。

「あっ、…っく…ん…」
「声出して。誰もいないんだから」

口を抑える不動の手を引き剥がす。手は唾液でベタベタに濡れていた。
ジュポッ、ジュポッ、ジュポッ

「ふぁああ!あう、あう…あ」

俺の上で、不動は体を反らせたり、丸めたり。ジタバタともがく姿はとても可愛い。俺の突くリズムに合わせて不動はいろいろな声で鳴く。

「んぁあ…か、ぜっ…さわ、て」

言われたとおりに撫でると、不動のそれはヌルヌルと先走りの液で濡れて、いやらしく光っている。

「よくここまで我慢したね」
「ひっ…あ、い…イ…っ!!」

突きあげながら裏スジをなぞると、不動は静かに果てた。俺もいかなくちゃ、と不動の中に強く自身を押し付ける。

「あ、アは…はっ」
「出すよ」

不動は首を横に振る。俺はかまわず不動の中に射精した。
逃げるように腰を浮かす不動の腰を掴んで、奥に注ぎ込む。

「うあぁ!っ…あ…ぁ」

不動は俺の上に折り重なるようにして倒れた。


「…抜けよ」
「抜いたら溢れてくるだろ、カーペットが汚れる」

コツン、と頭を叩かれた。本当は、ただもう少しだけ繋がっていたかっただけ。
リビングにはエアコンの音だけが響く。目を瞑ると、微かに時計の針の動く音が聞こえる。この後2人で風呂に入って、狭いけど俺のベッドで一緒に眠ろう。そうだ、DVDを借りてきたんだった。二人で見て、明日は…
唇に暖かいものがあたった。目を開けると頬を赤らめ、満足そうな顔をした不動がいた。よかった、どうやらずいぶん機嫌がいいらしい。

「不動、今日何か焦ってたよな」
「お前もだろ」
「だって、貴重な時間だから」
「……ん」

不動は同意した。
別々の高校に通って、それぞれ友達が出来た。そもそも俺と不動は元々別々の道を歩いていて、中学2年の時にたまたまその道が交わった。本来はそれに感謝するべきなのに。
これから、もっともっと離れることがあるかもしれない。

「焦らなくてもいい」

俺は思いっきり不動を抱きしめた。

「俺の心はいつも、お前のほう向いてるから」

不動も、そっと俺のシャツを握った。

END
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お久しぶりです!
本当は高校上がってすぐの話が書きたかったんですが、前半完全に冬設定にしちゃって(マフラーとかセーターとかビーフシチュー)…
高校上がってすぐだったら春か夏じゃなきゃだめだったんですよねー途中で気づきました笑
部屋でだらだらな話が私すごく好きみたいで長くなってしまいました。ベタですがやっぱり会えなくなった分、お互い求めあうのかなあと。

リクエストありがとうございます!
2011/03/31
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