リクエスト内容!→
ジャンルは甘、設定夫婦な風不

※佐久間視点です

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今日は一日練習は休み。
俺は鬼道と帝国メンバーにお土産でもと思っていたのだが



目が覚めるとすでに昼の12:30を回っていた。

『円堂達と先に行っている。
疲れが溜まっていたのだろう。ゆっくり休むといい。』

「はぁ…」
携帯に入っていた鬼道からのメールを確認してため息をついた。
寝返りをうつ。鬼道は俺を気にかけているだろうか。自己嫌悪に陥りながらも何故だか起きる気がおきない。
久しぶりに鬼道と二人きりになりたかったのだが今日は叶わなそうだ。

(とりあえず腹がへったな…)

昼食は各自だが朝食はいつも通りマネージャーが作ってくれたはず。食堂に俺の分が残っているだろうと思い体を起こす。
さすがに皆出かけているのだろう。昼間だというのに宿舎は静まりかえっている。誰もいないのなら、と思い髪もとかさずグシャグシャなジャージ姿のまま食堂に向かった。


人の気配がする。
マネージャーか、監督だろうか。俺は軽く手櫛で髪をとかし…あー眼帯を部屋に置き忘れた。まあいいか、と扉を開ける。

ガラッ

「あ」

中にいた人物を確認して思わず声が漏れた。

「あ!佐久間」

俺の声に振り向いたのは風丸。テーブルに食器を並べている。
食堂には食欲をそそる匂いが漂っていた。

「あれ、出かけたんじゃなかったのか?」

今起きたのか?、と風丸は軽く笑う。
何故だかかなり動揺しているようだ。

「できたぜ」

奥の厨房からもう一人の人物が出てきた。

「あ」
「あ」
「あ」

不動だった。ジャージに赤いエプロン姿で、黄色いミトンを着けた右手にはフライパン、左手には菜箸を持っている。
不動を含め3人で顔を見合わせる。空気が重くなったのを感じた。

(というかなんだこの状況…)

「おはよー佐久間クン…眼帯はしなくていーのか?」
「…おぅ」

不動は風丸の並べた皿に、フライパンに入っていたパスタを盛りつけ始める。俺はその光景に唖然とし身動きすることを忘れてただただ不動を見ていた。

「佐久間は」
「え」

名前を呼ばれてやっと我に返る。

「何か用があってここに来たんだろ?」
「あ、あー…腹が減ったから、俺の朝飯があるだろうと」
「それなら壁山が食ってたぜ」
「え!?」
「あ、じゃあさ」




















おかしな事態になった。

「いただきます」
「……ます」
「…いただきます」

俺は今、不動と風丸と一緒にテーブルを囲んでいる。不動と風丸が隣同士に座って、俺が風丸の正面に、という形で。
多めに作っちったから、と不動が言いだせば風丸もそうだな、なんて流れになって。上手く断れなかった自分が憎い。

「…これお前が作ったのか?」
「さっきからそー言ってんじゃん」

不動が作ったというこれはおそらくカルボナーラというやつだろう。ほうれん草が入ってはいるが、普通に旨そうだし、匂いもすごくいい。これを不動が!?ドッキリかなにかか。

そうかこれは夢だ!

「うんうまい」
「!?」
「おいしいよ、不動」

そう言って風丸は不動に微笑んだ。

「…黙って食え」

不動はムスッとしながらスプーンでコーンスープを口に運ぶ。その頬は心なしか赤い。

「いや、本当においしいよ。なあ佐久間」

俺に振るな!
2人の視線が痛いので、俺は恐る恐るパスタを口に運んだ。

「………ん、うまい」
「な!」

風丸はまた不動にニコッと笑いかける。

「…そりゃどーも」

不動は照れている。照れている。不動が。あの不動が。

「本当、毎日でも食べたいよ」

…は!?

「ばーか」

なんだなんだ俺はどうしたらいい
風丸は満足そうに食事を続ける。不動は顔を赤くしたまま、俺と目を合わせないようにしている。

「スープも不動が作ったのか?」
「いや、スープとサラダは俺」

料理を作る風丸を想像して、俺は納得して、感心もした。

「すげー美味い」
「ありがとう。…不動は?」
「ん…まぁ…いいんじゃねぇの」

不動はすでにスープもサラダも完食していた。そう言えばサラダには不動の嫌いなトマトは入っていない。

「よかった」

風丸がまた笑顔になって、また不動が頬を染めながら顔を背ける。
2人の醸しだす空気が、俺には痛い。
というかなんだこれは…この2人は…

「不動」
「ん」
「ついてる」
「ん…」
「違う、逆」

風丸が不動の右頬の辺りについたクリームを指でそっと拭った。そしてまたあの笑顔。そして不動の赤面。

鳥肌がたった。

「ちょ…っお前達…」
「え」
「…」
「な、なんなんだ…?お前達、どういう…」

我慢できずに訪ねてしまった。聞いてしまいたくない気持ちが半分。
風丸と不動はそろって俺を見た後お互いに見つめあっている。何か話しあっているように俺には見えた。
数十秒ほどその状況が続いた後、風丸が口を開いた。

「いや、俺達はべつに」

あんだけイチャついといて否定するのか!?

「じゃあなんで2人で…なにしてんだよこれは」
「いや…」
「あーもう、いいって風丸」

まどろむ風丸を、不動が止める。

「夫婦ごっこしてんの。なぁ風丸」
「はあ!?」
「…佐久間…実は俺達」















風丸と、不動。
夕食、風呂、ミーティング…2人を観察したがあれ以降2人は昼間の様にいちゃいちゃ、どころか会話をする様子さえなかった。
(なんだったんだあれは)

『実は俺達…付き合ってるから』

夢だったのか?そう思わせるほどに2人はあまりにもいつも通りだった。

(まじで夢だったのかも。まあ夢だったとしたら)



昼下がりの悪夢。



(不動のどこがいいんだか)
「じろじろ見てんじゃねー」
「誰がお前なんか見るか」


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こんにちは。2011年1つ目の小説です。
夫婦、ということで…夫婦って何すんだろ、ってなりました笑
やっぱり子作り!?なんて。ははっ←
書いてる途中で不動がエプロン姿で登場してくれて嬉しかったです!不動はなんでも器用にこなしているように見せて実はこの日の為に練習とかしてたりするといい。
すみません夫婦…になってないかもしれませんね。佐久間視点だし泣

リクエストありがとうございます!
2011/01/10
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