太陽から隠れるように
学校の近くの海でテニス部のメンバーと遊ぶのは、もう日課と言えるほど当然のことになっていた。

最近は俺の彼女の#名前#も一緒に遊ぶ。
元からバネやいっちゃんとも仲が良かったし、人当たりが良いから剣太郎やダビデともすぐ打ち解けた#名前#は、すっかりテニス部の一員として認められていた。





「サエ!見て見て、この前新しい水着買ったの!」



そう言って羽織っていたパーカーを広げ、自慢の水着を見せた。



俺が白色が好きだって覚えていたのだろうか、真っ白なビキニが彼女の透き通るような肌とよく似合う。



「すごく似合ってるよ、可愛いな」

「ありがとう!」



照れくさそうに笑う彼女は、水着のせいか、それとも俺が真夏の陽射しにやられたのか、いつもより格段に可愛く、色っぽく見えた。



「おっ、#名前#水着買ったのか?」

「そうなの、最近買ったばっかりなの」

「なかなか似合ってるじゃねぇか」



#名前#の水着が変わっていることに気付いたバネが褒めてやると、彼女は自慢げに水着姿を見せつけた。

あんまりそういうことはしてほしくないんだけど、彼女が嬉しそうだから止めるのも何だか気が引ける。





夏の浜辺でひとり悶々としていると、遠くから同い年くらいの男子数人が話している声が聞こえた。



「あそこにいる子、ちょー可愛くね?」

「俺らと同い年くらいっぽいな」

「足とか細いのになんか色っぽいよな」

「お前どこ見てんだよ!」

「べ、別に雰囲気で言ってるだけだろ!」

「嘘だー、絶対いやらしい目で見てただろ」



彼らの目線の先には砂浜で遊んでいる#名前#がいた。

俺の彼女をそんな目で見られるのは、とても面白くない。



俺は遠くで話している彼らに見せつけるように、#名前#に駆け寄った。



「サエ!綺麗な貝殻見つけたよ!」

「そうか、それは良かったね。それより少し向こうで休憩しないか」

「うん!」



手を差し伸べると、彼女は嬉しそうに俺の手を握った。





少し離れた岩場に連れてきた。ここは人通りこそ少ないが、綺麗な海を一望できる穴場スポットだ。



「#名前#…」

俺は彼女の手を離し、腰を抱き寄せてキスをした。



「んっ…サエ?どうしたの、急に?」



不思議そうにする#名前#を無視して、俺は何度も角度を変えながら触れるだけのキスをする。

少しずつ、軽かったそれから深いものに変えていく。強ばる#名前#の体を抱き寄せて、彼女の唇を舐める。



「大丈夫?苦しかったかい?」



肩で息をする彼女に気を遣うと、潤んだ瞳が上目遣いで俺を睨んだ。



「いきなり何するの!誰かに見られたらどうするつもり?」

「ここは誰も来ないよ。それに見られたら見せつけてやればいい」

この子は俺のものだって、みんなに示したい。



「大体そんな色っぽい格好してる#名前#がいけないんだよ」



抱き寄せたままの体に指を這わせる。腰をゆっくり撫でてやると、彼女はくすぐったそうに吐息をもらした。



「やっ、くすぐったいよっ…」

「ふーん、そう」



ふっと耳に息を吹きかけると、肩をびくんっと揺らした。

もう完全に俺のペース。彼女は次は俺に何をされるのかと、不安げに俺を見つめる。この泣きそうな、小動物を連想させる顔が俺の加虐心を焚きつける。



「水着可愛いんだけどさ、あんまり他の男に見せて欲しくないなぁ」

「…ごめんなさい」

「こんなフリルの付いたビキニ着なくても、十分大きい胸してるんだから。あんまり盛られると目が行っちゃうんだよね」



白いフリルに包まれた膨らみにそっと手を置くと、小さな悲鳴をあげて俺の着ているパーカーを握りしめた。

ふんわりとした独特の柔らかさをもつそれを、片手で味わうように優しく触る。

もう片方の手は、彼女が逃げられないように強く腰を抱き寄せる。



「やっ、サエ…やめてっ」

「いろんな男に見せつけてたくせに、俺が触るのはダメなんだ?」

「見せつけてなんか、ないもんっ」

「見られてることに気付いてなかったの?鈍いなー」

「もう、サエ、お願いっ、やめて…あっ」



涙をいっぱい溜めて懇願する姿が、さらに俺を煽る。



柔らかな女性固有の膨らみも、俺の腕に抱かれる細い腰も、涙に濡れるまつ毛も、軽く上がった息も、ときどきもれる甘い吐息も、そのどれもが俺を刺激する。





「#名前#が悪いんだよ」



薄く開いた赤い唇に舌を捩じ込んで、じっくりと彼女を味わう。





岩場の影で真夏の太陽から隠れるように、俺は彼女の細い腰を強く抱き締め、水着の下に手を滑らせた。


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