白の世界
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人って死んだらどうなんだろってのは結構考えてたりした
天国や地獄が実際にあるってのは流石に現実にはないと思ってたし、死んだら魂とかの存在はなく本当にただ消える可能性も無きにしもあらず
霊としてその世界にひたすら浮遊し続けるという可能性もある
というか、まず霊になるかだ
とにかくそれがわかるものなんて、今の俺みたく死んだやつしかいないだろう
でも俺幽霊とかそういう類はちょっとあれだな……
それにしても、なんだここは
俺はさっきから長い間、真っ白な空間にいる
いや、いるってのは不適切かもしれない
ただふわふわ浮いてる感覚みたいなのがあって良い気分にはなれない
とりあえずこの真っ白な空間に果ても上下左右もないようだ
本当に気分は良くない
これが死後の世界というのなら長居するのはあまり嬉しくはない、どこかへ行きたい
この気分の悪い場所から、どこでもいいから、違う世界へ
「じゃあ、行ってみる?」
え?
なんだ、この声は
さっきは聞こえなかった声が突然聞こえた
というか、行ってみるって……
いや、それよりもこの世界から出られるのならば……それなら、頼む
誰だかわからないがこの世界から連れて行ってくれ
こことは違う世界へ行きたいんだ
「任せて、君が望むままに、違う世界へ連れて行こう」
そんな声が聞こえた瞬間、ぐらりと廻る感覚がする
そして意識は飛んで、視界は真っ暗になった
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