prologue
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※流血表現あり
「よ、雅!上行って弁当食おうぜ!」
俺の机に弁当箱を持って友人が話し掛けてくる
「おー、ちょっと待ってろ」
そう言って鞄の中に入っている弁当箱を手に取り、友人とともに屋上へと向かっていく
うち、緋皇ヶ丘高校は創立何十年にも関わらず綺麗な校舎であることが自慢である
何より屋上からの景色が綺麗で、出入りも自由だった
だから今日も友人に誘われて、屋上に昼飯を食べに行こうとしていた
最早日課と化したこの光景
この時はまだ知らなかったが、この光景が俺の全ての終わりとなり、始まりになるのだった
−−−
屋上に着いた俺達は弁当を食べ終わり、フェンスに寄りかかって雑談をしていた
「なあ雅、お前この前の試験どうだった」
「ふっふっふっ、そりゃもう楽勝だったわ」
「くっそ、学年トップ3め!俺なんか40取れてるか取れてないかだぞ!」
「おま、勉強したまえよ」
「俺は試験一週間前の全てをゲームに費やすと決めたんだ」
「おいおい人事尽くせよ、いつか赤点取んぞ」
「やる気起きねえんだよー」
うわ最悪だーって言いながら後ろのフェンスに寄りかかろうとするその時だった
俺の後ろから、鈍い金属音がした
まさに、その直後
「え?」
何故か俺の身体は後ろに倒れていく
ふわりと身体が浮く感覚が気持ち悪い
自分に今起きている状況をちゃんと理解するのに時間がかかり、その間にも身体は後ろに落ちていっていた
「雅!」
手を伸ばす友人が見える
馬鹿だな、そこは足掴んでくれよだなんて、無駄に冷静な頭に笑えてきた
掴まるものは、何もない
そういえば確か下はアスファルトだったな
そうすると俺、やっぱ死ぬのか
そんなことを考えている間屋上は遠ざかって、そして俺は地面に叩きつけられ、赤い血を流しながら死んだ
最後に見た空は、怖い位青かった
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