gray film

「お前最近煙草の本数増えてないか?少し減らせ。体に悪い。」
「大丈夫だよりっくん先輩。俺には吸わない方が体に悪いよ。それにね、

「煙を吹きかけて欲しいって人、結構居るんだあ。」

【gray film】

安いラブホテルの一室で待ち合わせ。相手はネットで知り合った自称、会社員の男。歳は知らないが見た目からすると自分の父親と同じ位だろう。くたびれたスーツは綺麗に畳まれて置かれている。下着一枚でホテルの床に正座する男の姿は滑稽で、それを眺める俺の目は死んでいて。
「どうして欲しい?」
そう尋ねると男はこれで踏んで欲しいとおずおずと真っ赤なハイヒールを差し出した。変態野郎のくせして中々良い趣味をしているじゃないか、ご褒美をあげよう。俺は服を脱いで下着姿になった。今日の下着は赤いティーバッグ。
男は興奮した様子で金は幾らでも出すから手加減しないで欲しいと頼んできた。
「前に頼んだ女の子は血が出た所で泣き出しちゃってそれ以上続けてくれなかったんですよ。」
男は心底残念そうにそう言った。

四つん這いになった男の頭を思い切り踏みつける。靴の底でグリグリと頭を撫でてやると大層嬉しそうなありがとうございますとの声が下から聞こえてきた。
「座れ、ちゃんと正座しろ。」
のろのろと体を起こし床にきちんと正座した男の股間を靴の裏で撫でる。それだけで少しずつ反応してきたそれをゆっくりと踏んでいく。痛みは与えず、ゆっくりと焦らす。
「どうして欲しい?」
すると男ははあはあと息を荒くして俺の足を掴んだ。
「もっと!もっと苛めてください!わたしの汚い×××を貴方様の足で踏み潰して下さい!」
湿った手が気持ち悪い。
ジュッ。男の手に煙草を押し当てると汚い悲鳴と共に床に転がった。
男は暫くのたうち回っていたがやがてもう一度床に正座した。
「よくできました。」
新しい煙草に火をつけると勢いよく足を股間に向けて降ろした。ゴリゴリとヒールで踏みつけると男は口の端から泡になった涎を垂らし焦点の合ってない目で、「あ゛あ゛あ゛痛いいいい潰れる!×××潰れるう!!!もっど!もっどやっでぐださい!」と狂った様に叫んだ。
「気持ち悪い。」言葉を唾と共に吐き掛けると涙を流して悦ばれた。
煙草の煙と悲鳴が止んだ頃、男は股間を濡らして大人しく床に転がっていた。

「それじゃあ俺帰るね。」男の財布から約束の金額を抜き取って帰ろうとする俺の足を男が掴んだ。
「待って、下さい。貴方様も興奮なさったでしょう…?どうかそのお姿をわたしに見せて頂けないでしょうか…お願いします、お金なら払うから」
「豚野郎のきったねえ体見て興奮するわけないじゃん。」
それは嘘だった。大の大人の痴態に、惨め過ぎるその姿に俺は大層興奮していた。一刻も早く帰ってその姿を思い出して自慰に耽りたい。しかしその姿を他人に見せる趣味は俺には、無い。ああ、男の湿った手が気持ち悪い。
「触んないで?」


「殺すぞ。」
もう一度先程とは反対の手に煙草を押し当てて部屋を出た。

ぐっと伸びをして夜明け前の街を歩く。携帯を見ると何通も会いたいとの連絡が入っていた。はは、このおっさんやっと骨折治ったばっかなのに。
「懲りないねえ。」
俺もお前らも。俺は煙草に火をつけて夜の街へと姿を消した。

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