小説 | ナノ


▼ 検査







アンドロイドであり、恋人であるコナーは体液を舐めると、相手の情報がわかるらしい。
ハンクは気味悪がっていたが、舐める仕草が色っぽくて、私は嫌いじゃなかった。……まぁ、初めて見た時は少し驚いたが。
先程の調査でも、お得意の調査方法でハンクをげんなりさせていた。
署に戻って休憩室でコナーと話をしていると、その調査方法で少し疑問に思った事を思い出した。

「コナーはさ、相手の体液を舐めるといろいろわかるんでしょ?」
「なんですか、今更」
「いや、いつもアンドロイド相手だからさ、人間の血とか舐めてわかる事ってどれくらいなのかなって」

確か、初めてハンクとコナーと一緒に現場調査した時、血を見て何日経過したとかはわかっていたが、やはりその位しかわからないのだろうか。私はアンドロイドにはあまり詳しくはないし、コナーはプロトタイプだから調べようも無いので、本人に聞くしかないと思い伝えた。

「最低限ですよ。血液型と、出血してからの日数と、あまり使う機会はありませんが、健康状態とか」
「じゃあ、それを調べてもらうには血を出さないとかぁ……」
「健康状態が気になるのなら、病院に行かれた方が良いと思いますが」

病院は嫌なんだけど。それに、見てもらうならコナーに見てもらえた方が良い。

「じゃあさ、汗とか唾液とかじゃわからない?」
「出来ますよ。試してみましょうか」
「えー……流石に気分は良くな……」

そう言った瞬間、肩を思いきり掴まれ、コナーと向き合う様に体を動かされた。
急な動きに派手に転びそうになったが、コナーが腰を支えてくれたお陰で転びはしなかった。
何事かと口を開こうとすると、コナーの舌が口内に入り、私の舌と絡めてくる。
こんなに長くする必要はないだろうと、妙に冷静になった頭で考えると、やっと口が離れてくれた。

「な……なに!なんで!?」
「調べてほしいのかと」
「だ、だからって!此処外……!」

自分で言ってて、ハッとした。
そう、此処は外だ。しかも職場。休憩室の外を見ると、いつもは騒がしい署内が静かで、此方に視線が集まっていた。自分のデスクに座って頭を抱えながらうつ向いていたハンクが大きなため息を吐き終わると、みんな気を取り戻したかの様に自分の作業に戻り始める。

「僕と名前が恋人同士なのは周知の事実なのですから、今更焦る程の事ではないと思いますが?」
「そういう問題じゃないの!馬鹿!へっぽコナー!」
「それと、水分が不足している様なのでコーヒーではなく水を持ってきます」
「ありがとうございます!」

自棄になりながら気を使うコナーにお礼を言うと、コナーはウォーターサーバーに水を取りに向かった。
恋人という事を隠していたわけじゃないが、こんなの仕事中気まずすぎるだろう。伏せた顔が上がらないまま、コナーが帰ってくるのを待った。







END

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