今ではもう愛しいだけ久しぶりの昼間。
「俺」は昨日、写真の整理をしていて
疲れてたみたいで
簡単に乗っ取る事が出来た。
オレは普段、昼間に出てくる事はない。
「オレ」の人格が出るのが
昼間だろうが夜だろうが
以前まではとくに気にしてなかった。
でも、最近は
昼間にも出たいと思うようになってきた。
『ウキョウとお出かけって
久しぶりだね。』
ウキョウ「ああ、そうだな。」
久しぶり…、か。
マイもオレと
同じことを考えてたのか。
昼間にも外に出たいと思うようになった理由は
もちろんマイ。
マイに会いたいから、っていう
単純な事。
付き合ってると言えども
やっぱり夜に会うのは気が引ける。
前のオレは
こんなキャラじゃなかったのに。
マイ相手だと調子狂う。
ウキョウ「マイは
どっか行きたいところあるのか?」
『スイーツを食べに行きたいな。』
ウキョウ「スイーツ?」
『そう。
駅前に新しいお店がオープンしたみたいで
食べに行ってみたいな、って。』
オレがスイーツ食べに行ってるのって
…ちょっとおかしくないか?
『あ、そういえば
プリンとかゼリーとかもあるらしいよ。
ウキョウ好きだったよね?』
お前、覚えてたのか。
俺がプリンとかが好きな事。
ちょっと…、いや、かなり嬉しいかも。
『ウキョウ、嫌?』
ウキョウ「嫌じゃねぇよ。
マイがオレの好物覚えてた事が
嬉しかっただけだ。」
『嬉しかったの?』
ウキョウ「悪いかよ。」
『ううん、ウキョウが喜んでくれて
私も嬉しい。』
マイは満面の笑みでそう言った。
今ではもう愛しいだけ殺していた時の事が嘘のよう。
ウキョウ「早く行くぞ。」
『うん。
いっぱい食べようね。』
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