でも、お別れもう何度目だろう。
君を見つけ、君と別れ。
こんなに、こんなに好きなのに
一度も報われない恋。
『ウキョウさん?』
ウキョウ「え、ああ、何?」
この世界でも君を…マイを見つけた。
『考え事ですか?』
ウキョウ「いや、大丈夫だよ。」
並んで歩いている俺とマイ。
でもこの世界の俺らは恋人なんかじゃなくて。
ウキョウ「昔の事を思い出してただけ。」
俺の言葉でマイは首をかしげる。
わからないのも無理はない。
マイは…いや
俺とオレ、それから二ール以外は
この世界じゃない世界の事を知らない。
ウキョウ「あんまり気にしないで。」
今日は8月22日。
もうすぐ俺はこの世界からも
排除されるのだろう、と思いながら
マイと歩いている。
そう思っていると、前からトラックが
こっちに向かって突っ込んでくるところだった。
ウキョウ「マイ、危ない!」
『きゃぁぁぁ!』
とっさにマイを押しのけると
俺はトラックにはねられた。
『ウキョウさん…?
…ウキョウさん!』
目を開けると、かすかにマイが見える。
よかった。
マイは無事だったんだ。
マイ、この世界でも…。
…大好きだったよ…。
でも、お別れ二ール「次の世界へ行こうか。」
ウキョウ「…ああ。」
(お題配布元「確かに恋だった」)
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