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雲ひとつない清々しい朝。
いつもの通学路をいつもより少し早い時間に通れば、期待通り会いたくて仕方なかった人影を前方に発見。
あたしはダッシュで彼の背中にダイブした。

「努くーん!おっはよ!」

「……おう」

もー、努くんってばいつも通り無愛想なんだから!
でもそんなストイックなところが好き!

「ね、今から朝練でしょ?あたし、朝練見たいんだけど一緒に行ってもいい?」

努くんがバスケしてるとこ見たいなあ、と、あたしより遥かに高い彼を見上げれば、彼は少し頬を染めて頷いた。

「構わん、が、朝練はランニングとかラダーみたいな基礎練だからそんなにおもしろくはないぞ」

もー、努くんてばわかってないなぁ。
別にね、バスケじゃなくたっていいんだよ。
努くんがやってるならサッカーだって野球だってアメフト(あ、似合いそう)だっていいんだから。
つまりさ、がんばってる努くんが見たいだけなんだよ……なんて言ったら、努くんはどんな顔をするかな?


……なんて考えてたら、背後からぽんと肩を叩かれた。誰だ。

「おはよ〜岩村、時枝さんー。今日も朝から熱いねー」

振り向けば、柔らかそうな金髪が眩しいクラスメイトその1。春日くんだった。

「あら、おはよう春日くん。やだ、お似合い夫婦だなんてそんな!」

「あははー、そこまでは言ってないけどねー。相変わらず時枝さんおもしろいねー」

なんて、いつもの調子で笑う春日くんは、あとでぶっ飛ばすリストに追加。そこはお世辞でもノるところでしょ。

「……どうでもいいが、もうすぐ朝練の時間だ。春日、走るぞ。時枝、悪いが先に行く」

言われて時計を見れば、朝練の時刻まであと15分ほど。

「あ、うん!キャプテンの努くんが遅れちゃダメだもんね。がんばってね、努くん!」

「時枝さん、オレは〜?」

「え、うーん……じゃあ春日くんもテキトウにガンバレ?」

ひどいねー、なんて苦笑して春日くんは先に走り出した努くんを追っかけてった。
朝から努くんに会えたし、今日はいい日になりそうだなー。

あたしも歩く速度を少し早めて、努くんたちの後を追って学校を目指したのだった。


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