1


アナタにとっては単なる気まぐれ。
アナタの周りで群れる、たくさんの女の子のうちの一人でしかないあたし。

あたしにとってはただの好奇心。
別にアナタが好きなわけじゃない。
今までにたくさんの女の子を泣かせてきたアナタの泣き顔が見たいだけ。

そのためには、この"カノジョ"というポジションはおおいに利用できる。
そう思ったから、黄瀬の気まぐれで暇つぶしでしかないような、告白とも言えない告白にOKを出したのよ。

いつかアナタがあたしに飽きて、あっさり別れを告げるその前に。
どうにかアナタを泣かせて、「黄瀬ってばこんなことくらいで泣くの?」って優越感に浸って言ってやるんだから。
その綺麗な顔を涙で歪ませてやるんだから……!


お互いに愛情なんてない、そう、ただのゲームみたいな。
それでも、黄瀬のことが好きで仕方のない女子じゃなくて、こんなひねくれたあたしが付き合っているというのだから、世の中というものはよほど報われないようにできているに違いない。









ゼロ・サム・ゲーム


[prev] [next#]




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -