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「いい朝ですねぇ」

んー、と伸びを一つ。
きらきらと朝陽が気持ちいいです。
朝ごはん(なんと!朝ごはんつきなのですよ!)をいただいていると、アルターに会いました。
アルターはとても冒険が好きみたいで、だいたいは酒場で依頼を待っているみたいなのです。

「よう、ヴィオレット!お前、朝早いんだな」

「おはようございます、アルター。アルターもとても早いです」

「おう。朝はだいたい裏山で剣の練習してんだよ。ヴィオレット……名前噛みそうだな。ヴィオでいいか?」

「はいです!」

名前もなかったわたしですから、あだ名を付けてもらうというのももちろん初めてで……すごく、嬉しいです。

「じゃーヴィオな。ヴィオ、今度一緒に剣の練習するか?」

「いいのですか?!是非にお願いしたいのですっ!」

ガタッと椅子を蹴って立ち上がれば、アルターはそれを見てクックと笑いました。

「お前も案外血の気多いのな。よーし、じゃあそうだな……明日はちょっと厳しいか。三日後はどうだ?」

「大丈夫なのですよ」

「よーし、決まりだな!じゃあ三日後、朝飯食い終わったら裏山に来いよ」

「はい、わかりました!」

「うっし!そしたらオレ今から依頼入ってっから、そろそろ行くわ。三日後、忘れんなよ!」

「はいです!いってらっしゃい、アルター!」

「おう、じゃあな!」

そう言うとアルターは、颯爽と酒場から出て行ったのでした。
剣は弓以上に慣れないですが、きっと覚えておいて損はないのです。
でも、剣の練習はとても楽しみです!

さて、朝ごはんも終わったことですし。
昨日の予定通り、今日は魔法学院に行って……あとは、コロナの街を散策してみることにしましょう。

「マスター、ごちそうさまでした!」

「おう、今日はどっか行くのかい?」

「はい、魔法学院に行ってみようと思うのです。あとは街をぐるっと回ってみようかと」

「そうかい。魔法学院はここを出て右に少し行った学術地区にあるぜ」

「ありがとうございます。いってきます、マスター!」

「おう、気をつけてな」

マスターの声に見送られて、わたしは酒場をあとにしたのでした。


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