02.20

「お、おはようございます……」

「あれ、カヌレ?もう交代の時間かい?」

「あ……いえ、違います。その、今日はお客様がいらっしゃるので、その準備を、と……」

「お客?……ああ、もしかして君の友達のシャンデラ君たちかい?」

「はい、そうです。……今日は、リヒトさんに、お菓子の作り方を教わるんです。それに、グランさんのお茶も楽しみなんです」

「へぇ。それで昨日から少し楽しそうだったんだね」

「わ、わかりますか?」

「そりゃあね。君はいつもびくびくしてるから、そうじゃないときの方が珍しい。故に、わかりやすい」

「すみません……」

「なぁに、謝ることじゃないさ。それよりカヌレ。キッチンに行くなら、コーヒーを入れてくれないか?すっごい濃いの」

「…………あの、」

「なんだい?」

「先週も、それで眠れないって言ってませんでしたか……?」

「さて、そうだったかもしれない。しかし、僕はこの本を今日中に読んでしまいたいんだ。つまり、眠らないためにはカフェインが必要だ」

「…………わかりました。少し、待っていてください」





ガタン!
ゴロゴロゴロ……ゴトン!
バラバラバラバラ…………





「あぁああああああ!」

「……おーお。カヌレめ、また何か落としたな。あの音から察するに、コーヒー豆のポットかね。ふむ……カヌレー、何落としたー?」

「あぁあああすみませんすみません、本当にすみません……!」

「あーらら、予想的中。見事にコーヒー豆だらけだな、床が」

「うぅ、すみません……」

「うん、まあ、君がドジやらかすのはいつものことだしね。コーヒー豆くらいは大した問題じゃないさ。お友達が来る前に、片付けなよー」

「はい……」

「さて。そろそろ交代の時間だし、僕は帰るとしよう。コーヒーはまた今度入れておくれ」

「あ……はい。お疲れさまでした」

「お疲れー。僕の分も、お菓子よろしくねー」










……っていう、特にオチもないネタ。
昼の番人はかなりおおらかな自由人。
(でないとカヌレのパニックには付き合いきれません(笑))
彼女のお仕事は19時〜7時の12時間。
普段はマンションの管理人みたいなもんで「そこにいることが仕事」ですが、有事の際には本気を出す、みたいな感じです。

あきちゃん宅、グランさんとリヒトさんのお名前お借りしましたありがしぇーん!

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