※現パロ(高校生)
部活帰りの夜道はいくつかの蛍光灯がぽつぽつと並んでいるだけで薄暗い。
重たい足を引きずってようやく我が家が見えた頃、その隣の家に入っていく影が2つ。私はただ帰宅しているだけで疚しいことなんて何1つないのにじっと息を殺して影が消えるのを待つ。
……やっと行ったか。
蛍光灯に照らされて見えたのはご近所さんで幼なじみの鉢屋三郎。それと見覚えのある女の子。多分隣のクラスのなんとかさん。
今日はまあ可愛らしい女子を連れ込んだもので。人工的な栗色の髪は毛先がゆるゆるふわふわ。白いシフォンスカートから伸びる手足は華奢でお人形さんみたい。THE 女の子とでも言えばいいのか。三郎の好み云々以前に好みじゃない男のがいないだろう。
まあこないだはスレンダーでショートヘアの似合う大人っぽいなんとか先輩だったのを考えると三郎の守備範囲は広いのか美人ならなんでもいいのか。
三郎の両親は共働きのため家には三郎だけといったことはよくある。ほんの少し前、といっても中学生の頃まではうちにうちに夕飯を食べに来たりそのまま泊まっていったりしたのだが最近ではその都度違う女の子を連れ込んでは色々とお楽しみのようである。
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幼なじみとしては大変ベタであるが私と三郎の部屋の窓は向かい合っている。まあカーテンの開いてる時間には私も三郎も家にほとんど居ないのであまり関係はないのだけれど。
ちらりとカーテンを捲ってみると丁度向こうの電気が消えた。時間はまだ22時。3時間睡眠でもけろっとしてるやつがこんな時間に寝るわけがない。どうせ女の子に「恥ずかしいから消してよ…」とかなんとか上目遣いでねだられて大人しく消したわけですね万年発情期め。
…これ以上考えているとおかしくなりそうだ。今日は少し早いが寝よう。折角明日は休日なのに夜更かしも出来やしない。
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いつもより早い起床。全ては三郎のせい。体は寝たいと言っているのにカーテンの向こうが気になって目が冴えてしまう。
階段を下りてリビングへ行く。早々に朝刊を取ってこいとは母さんも人使いが荒い。
あーあ、嫌だ。もしも帰宅するなんとかさんに出会ってしまったら気まずいじゃないか。
がちゃっ、隣から嫌な音がする。
「昨日はありがとう」
「気をつけて帰れよ」
頭から血が下がっていくのを感じる。
無駄だとわかってはいても動作を停止し息を殺しす。しかし彼女はこちらをちらりと一瞥するも何事も無かったように去っていった。それどころか余裕そうにふっと笑ったような気さえする。まあ中学ジャージをパジャマにする寝癖女だし当然か。
「よう名前。酷い頭だな」
「…うるさい。親の留守中に女連れ込むやつに言われる筋合いは無いね。いつか刺されるよ」
「なんだ気になるのか?」
「なぜそうなる。…まあ気にならないわけじゃないけど」
「聞きたいか?」
にやにやとからかうようにこちらを見る三郎。その顔にイラっとしたが中学生男子のような好奇心に負けて1度だけ首を縦に振った。
「親父もお袋も今日は帰ってこない」
「…へえ。それで?」
震える手を抑えて真っ直ぐに三郎の目を見つめ返す。
つまりはそういうことなのだ。
タイトル考えてたら某エタニティの曲がループして止まないのでそのまま頂いたもののなんか違う。
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