天にも昇るような
*完全ネタキャラと化しております
*ビタZレボネタバレややあり!注意です!
ずっと思い続けていた、ずっと(主に物陰から)見つめ続けていた。
その想い人が今自分の下にいる。
可愛らしい抵抗をしつつも、自分を受け入れてくれている従順な眼差しで私を見上げている。肌蹴た胸元を艶めかしく朱に染めながら。
この幸福な状況に影虎は眩暈を起こしそうだった。大丈夫だ、今日は念のため酔い止めを服用している。
「さ、佐伯せんせ…」
「影虎、だ」
「…影、とら、さん」
じー…ん…
かげとらさんかげとらさんかげとらさん。
良い響きだ。
「…覚悟は良いか、真奈美」
「やだ、そんな聞き方…」
恥ずかしそうに視線を逸らした獲物の首筋に顔を埋め、影虎は昂るそれの照準を正確に定める。先端でぬるりと滑り、背筋がぞくりと震える。
「…ゆくぞ」
「!っあ…」
入ってくる。真奈美は緊張で足先まで強張らせた。
本当ならばまだ体を許すには早いと思っていた。何回かデートらしきものはしていたが(上條にあの手この手で迫られて)正式に告白されたのは三日前で、そして今日どうしても家に行きたいとねだられて。夕飯をご馳走したらなんだかんだと長居をして、気がつくとこんな時間で、「い、一緒に寝よう!」と真奈美より先に布団に入って待っていて…
もちろん好きだから押し切られたとはいえ合意の上だが、あまりにも先を急ぐ影虎に少々戸惑っているのは事実だ。
「んん…っ」
性急に奥まで挿入され、真奈美は痛みに唇を噛み締めた。処女だということは、とっくに確認されている。二回目のデートのことだ。(「き、北森先生は男性経験はあるのかね」)
「…ああ、私が真奈美の初めての…」
「う…っあぅ、はあっ…影虎さん、いたいぃ…」
さすがに強引に動かしたりはしないが、奥までぎっちり入り込んだ影虎のペニスは興奮のせいかかなり巨大化していて真奈美の狭い膣内を押し広げていた。
「あ、ああすまない、…だがどうしようも」
自分よりもずっと体の大きい、一回りも年上の男性の下で真奈美は必死に呼吸をして体を落ち着かせようとした。確かに痛いが、イヤな痛みではない。きっとこれは女にしか分からないしあわせな痛みだ。
そう思うと、少し和らいだ。
なんとか小さく微笑んで、真奈美は影虎を見上げた。
「ん、はぁ…っ…だ、だいじょうぶ、です。少し、…動いても…」
その表情を目にしその言葉を耳にした瞬間影虎はフルパワーで動き始めた。
「ま、真奈美ーッ!」
「や、やあああああっ」
もうその腰の速さは目にも止まらない程。カクカクとせわしなく、かつ大胆に動き、真奈美の体はおもちゃのように揺さぶられる。
「や、や、あ、あっあっあっかげとらさんっ激しいよおお!」
「ああ真奈美真奈美私の真奈美っ」
フルスピードとフルパワーで奥までピストンされ、真奈美の顔は涎まみれになっていた。いや、違う。この涎は真奈美のものではない。
「真奈美、ちゅ、ちゅ、ん、ちゅ、」
せわしなく腰を振りながら影虎は夢中で真奈美の顔を舐めていた。避けようにも影虎が激しすぎてもう訳が分からない。
「かげとらさん、おちついてぇぇぇあぁぁんっ!」
あまりの震度に涙すら流したその時だった。
ピ シ
時間が止まった。
影虎の腰も止まった。
「…ふ、え……あれ、なんのおと…?影虎、さん?」
不思議に思い目を開けた真奈美が見たのは、蒼白になった影虎の顔だった。
「っ影虎さん、どうしたんですか、どこか…!」
慌てて体を起こそうとした真奈美を、影虎もまた慌てて制した。
「待ってくれ、動かないでくれ」
「…影虎さん?」
「…腰、が」
「腰、が?」
「…動かない」
―影虎さまはお体の弱いお方です
彼の忠実な右腕の言葉が頭をよぎる。
つまりはそういうことだ。
急激な激しい運動に、彼の虚弱な体は悲鳴をあげたのだ。
真奈美はゆっくりと離れ、影虎をそっとベッドに横たえた。
「影虎さん、本当に病院にいかなくていいんですか?」
「大丈夫、だ…ッ」
「じゃあ上條先生をお呼びしましょうか?」
「大丈夫だ、真奈美…」
「では私湿布を買ってきます!今なら近所のドラッグストアが…」
「真奈美!」
案ずる言葉を遮り鋭く名を呼ばれ、思わず口をつぐむ。
語気の強さとは裏腹に彼の顔は真っ赤っかだった。
「影虎さん…?」
がし、と腕を掴まれる。体にシーツを巻きつけた真奈美を影虎は血走った眼で見つめていた。
「まだ、だ。真奈美」
「?でも、」
「まだ終わるわけにはいかないんだ…!」
「影虎さん、でも腰が…」
「…お願いだ、…してくれ、ないか」
「はい…っえ!?」
数分後、しぶしぶ真奈美は横たわった影虎の上に跨った。
「わたしも初めてなので、うまく出来ないと思いますけど…」
「いいのだお願いします」
即答され、真奈美は覚悟を決めて反り返った影虎のものをそこに押し当てた。
「ん…っ」
一度奥まで仕舞い込んだとはいえその質量に再び圧倒される。顔をゆがませた真奈美に影虎は欲情を抑えきれなかった。
ず、ず、とゆっくり入っていき、ようやく根元まで埋まる。
はーっはーっと肩で息をしながら、真奈美はおずおずと腰を動かし始めた。
「ん、は、…こうですか、影虎さん」
「ああ、いいぞ真奈美…!」
あどけない腰の動きに全身の血が沸騰しそうになる。
真奈美は影虎の腰が痛まないように優しく手で包んで、なんとかリズムをつけて自分の腰を上下しようとするがいかんせん経験不足なためペニスはずっと膣内でいたずらに遊び続けている。それでも擦れていることには変わりないため結構な快楽である。
影虎は焦点の合わない瞳で喘ぎ始めた。
「あ、く、あぁ…っ気持ち、いいぞ、真奈美…っ」
「あん、あはっ…はあっ…本当れす、か」
真奈美もいいようで、幼い顔をいやらしく歪めて影虎を見下ろしている。小さな子供がいけない遊びを覚えてしまったようなそんな表情を眺めていると、影虎は呆気なく最期を迎えた。
「あ、う、あ、もう駄目だ、真奈美、真奈美!」
「え、かげとらさ、まだ、」
「う、…く、はぁあっ」
「あ、やら、出しちゃだめぇっ」
慌てて離れようとした真奈美の腰を最期の力を振り絞ってがっしりと掴んで押しつける。ビクンビクンと中で震えながら射精し、真奈美はその熱さにカクカクと腰を震わせた。
「や、だあぁぁぁぁ…」
ぺとん、と力なく影虎の体に倒れこむ。
まさか自分の初体験がこんなことになるとは思わなかった。しかし愛する人と結ばれたことになんとなく充実感を覚えて、えへ、と影虎の胸に頬を押しつける。
「…えっち、しちゃいましたね、かげとらさん…」
あんなにしたがっていたのだ、影虎もさぞ喜んでくれているだろう。
恥ずかしくなって頬ずりをしてみる。
しかし一向に影虎の反応は無い。
不思議に思い顔をあげてみると、
影虎は白目を剥いて気絶していた。
20100330
もう何このおっさん