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東方ぶちこみ02 | ナノ
※ゆかみょん

「妖夢ーケーキが食べたいわぁ〜!」

「先ほど昼食を食べたばかりですよ?駄目です。」

「えー!おやつの時間まで待てないわ!妖夢ぅ!お願い〜!」

「ゆ、幽々子様‥‥」

先程、昼食を食べたと言うのに目をうるうるさせて、ケーキを作れという幽々子様。
流石の私も、目を潤ませている幽々子様には勝てなく、「今回だけですよ」と言い、ケーキを作る為台所へ向かった。

*

「‥‥‥っと、できた!あとはクリームを塗って飾り付けだけ‥‥」

生地が焼きあがり、まわりにクリームを塗る。
あんな我がままな主だけど、幽々子の喜んで食べている姿を見るとこちらまで幸せになる。
‥今日も幽々子様、喜んでくれるかな‥‥?

などと思っていた矢先、がばっと、誰かが後ろから私に抱き着いてきた。

「ひゃぁ!?」

いきなり抱き着かれ思わず声を上げてしまう。

「えっへへー♪よ う む ちゃ ー ん♪」

「‥‥この声は‥‥紫さま‥‥‥」

「せーかい」

いきなり抱き着いてきた紫様は、なぜか上機嫌らしく後ろから私の頭を撫でる。

「ちょ、やめ‥、なんですか、いきなり‥‥」

「うふふ‥‥‥甘い香がしたから、ちょっと見に行きたのよ。」

これだからスキマ妖怪は困る‥‥。

「今、幽々子様のケーキを作っているんです。もう少しで出来上がるので紫様も一緒に召し上がりますか?」

「んー、いいわ。べつに。私はただ、妖夢がケーキを作っている姿を後ろから、むぎゅーってして見ていたいだけだから」

「やめてください。作業しにくいです。」

「やめたくないのだけれど、どうしたら良いのかしら?」

笑顔で聞き返してくる紫様。
紫様はサドすぎるので何を言っても勝てない気がした。ので私は黙ってもくもくとクリームを生地に塗っていく。

「妖夢さ、幽々子の事少し甘やかしすぎじゃないかしら?」

「そう‥‥ですか?」

「うん。妖夢は幽々子よりも私のことを甘やかしてくれれば良いと思うの。」

「な、にを‥‥‥」

と、紫様が無理矢理 私を向かい合わせて抱き着いてきた。

「ゆ、紫様っ!冗談はいい加減に‥‥」

紫様から離れようとすると、いつもより真剣な風に言ってきた。

「妖夢が、好きなの」

「‥‥‥っ!」

「ふふ‥‥これで告白も3回目だけど、そろそろ気持ちは決まった?」

「じょ、冗談にしか聞こえません‥‥」

「またー?本気よ?私」

「冗談にしか聞こえません」

「じゃあ、もう一回言うわ。」

「言わないでください!」

「妖夢が好き」

「‥‥‥っ」

「この世で1番好き」

「ゆ、紫様‥‥冗談にしか聞こえないので離して下さいっ‥‥‥」

なんでこの人は、そんなことをサラっと言えるんだろうか‥。

「別に離れても良いわよ。でも今 離れたら妖夢の真っ赤な顔が見れちゃうけど」

「っ!」

冗談だとわかっていても顔が赤くなってしまう自分が情けなくなってしまう。
確かに、紫様の言うとおり、私の顔は真っ赤ですよっ!

すると紫様が「じゃあ離れましょうか」と言い、自分から離れていく。
離れて、いいの。
でも、今はっ‥‥‥

ぎゅっ、

「妖夢?」

離れようとする紫様の服をつかむ。

「‥‥‥ゆ、紫様に‥‥こんな顔見られたくないので‥‥‥もう少しだけ‥‥、こうしていて下さい‥‥‥」

「よう、む」

何恥ずかしいことをしているんだろう、と思い余計顔が赤くなる気がした時、紫様が、くすくすと笑った。

「冗談にしか聞こえない割には、照れちゃうのね」

「っ‥‥ゆ、紫様がおかしいんです‥‥」

そんなことをサラっと言えて。

「ねぇ、妖夢好きなんだけど」

「だから、冗談にしか聞こえませんっ‥‥!」


※てるえー

「あ、えーりん、私 妹紅の所行ってくるから」

廊下でたまたま姫様とすれ違い、姫様が私に報告してきた。

「わかりました。あんまり怪我してこないで下さいよ?」

「はっ、何言ってんのよ。私が妹紅なんかに負けるはずないじゃない!あ、あと私の部屋綺麗にしといてね。あ、ついでに布団干しといて」

「よろしくねー」と軽く言い、姫様は出かけてしまった。

「はぁ‥‥」

一人、嘆息し、姫様の部屋に向かう。

姫様は、昔から‥、私をどう思っているんだろう‥、と思ってしまう。
姫様にとって、私は家政婦さんか何かなのか‥?
いつも妹紅、妹紅って。
‥‥私は、こんなにも姫様を思っているのに‥‥。

「はぁ‥‥考えない、考えない‥」

頭がぐちゃぐちゃしてきて、自分があまりにも惨めだったので考えるのをやめて、もくもくと姫様の部屋を片付ける。

「‥‥やっと、終った‥。あとは、姫様の布団を干して‥‥」

思わず姫様の布団の上にねっころがってしまう。

姫様の匂いがする‥。
姫様の匂いが私を包んでいるようで、なんだか姫様を思い不安だった心が少し晴れたように感じた。

*

「えーりん‥?えーりん」

はっ!
目を覚ますと、そこには姫様がいた。

「あ、姫さま‥」

「ただいま。ねぇ、えーりん何で私の布団で寝てんのよ‥?」

「え‥?‥‥あ!」

どうやらあのまま自分は眠っていたらしい。
姫様を思って、姫様の布団で寝てしまって‥‥それを本人に見られてしまって‥‥、
は、恥ずかしすぎるっ!

「あ、あれー?なんででしょうねー」

必死にごまかすが、姫様はニヤリと笑い、

「もしかして、私がいなくて寂しかった?」

と、直球に当ててきた。

「あ、え、あ‥‥その‥」

つい顔を赤くしてしまう。

「え、まじ?うふふっ、えーりんって本当に可愛いわね」

と笑顔で良い私の頭を撫でる姫様。

「わ!ひ、姫さ‥!」

「えーりん、えーりん!ほいほい、ひざ枕してあげる」

ぽんぽんっと、自分のひざをアピールする姫様。

「い、いや、いいですよ、私これから晩飯の仕度もありますし‥‥」

「いいから!」

「わっ!」

無理矢理 私の頭をつかみ、無理矢理ひざ枕してくれる姫様。
嬉しすぎて、もう泣きそう‥!

「えーりん、たまにはさ、私にも甘えてよね。」

と言い、私の頭を撫でる姫様。

「‥‥‥す、すいません‥‥」

「なんで謝るのよ。えーりん、寂しいなら寂しいって、ちゃんと言ってくれないとわからないわよ。」

さっきの事を言われ、もう死にたいくらい恥ずかしくなる。

「す、すいません‥‥」

「ねぇ、えーりんはさ、私をどう思ってくれてるのかしら?」

「え‥‥?」

「私はね、えーりんがいないと生きていけないくらい、えーりんが大事ね。」

「姫‥さま‥」

つい、泣きそうになってしまう。
姫様は、私を大事に思っていてくれたんだと。

「えーりん、大好き」

もう、泣きそうな涙を堪えるのが精一杯で、姫様の顔も見れなかったけれど、これだけは言えた。

「私もです。」


※アリ→マリ+れい←ゆうか=幽アリ(みたいなの

「やっぱり今日も霊夢の家‥‥」

魔理沙に会いたくて魔理沙の家に行ったらやはり留守で、博麗神社に来てみればやはり魔理沙はいた。
いつも通りに、霊夢とお茶を飲みながら楽しそうに談笑している。
それを草の間から覗く私。

やっぱり、魔理沙は霊夢の事が‥‥、
そう考えるだけで涙が出そうになる。

すると、私の近くからドス黒いオーラが漂ってきた。

「っち、あの白黒野郎、殺す‥。楽に一瞬でなんて、あまっちょろい事やらないわ。爪を一枚一枚剥がして、次に‥‥」

「!!!?」

怖っ!ちょ、魔理沙逃げて!超逃げて!

誰だかと思うと、木に隠れて‥‥と言うか‥‥怒りでいかにも木を壊そうとしそうな幽香がいた。

「ゆ、幽香!?」

ついつい、声を出してしまう。
すると幽香がこちらに気づき振り向いた。

「あら、アリス。そんな汚い草の中にいれるなんて。流石アリスだわ。気持ち悪い」

と、笑顔でいわれた。
‥‥‥このドS!もう魔理沙の事を思ってじゃなくて、今 幽香に言われた言葉で泣きそうだわ‥。

「ねえ、幽香あなた‥」

「幽香じゃなくて、幽香様でしょ?」

「‥‥‥幽香様‥、」

「なぁに?メス豚」

‥‥‥あぁ、もうドSって嫌ぁああ!

「魔理沙の事、嫌いな‥」

「嫌いね。殺したい位だわ」

私が言い切る前に幽香が答えた。

「じゃあ霊夢は?」

「‥‥‥‥」

霊夢について聞くと幽香は黙ってしまった。
やっぱり幽香は霊夢の事が好きで、私は魔理沙が好き。
お互い、霊夢か魔理沙が憎いのだ。

「霊夢は‥、私が唯一強いと思った女。つまり魅力的な人ね。」

こんなにも、格好よく言ってるけど、直結に言えば霊夢が好きなんでしょ。

「私は、魔理沙が好きね‥」

私がポツリと言うと幽香は少し驚いたような顔をしたけど、またいつもの顔に戻って言った。

「流石アリスね。あんな白黒を愛せるなんて、メス豚にしか出来ないものね。」

「あんた‥‥‥私は良いとして、魔理沙ファンに怒られるわよ‥」


「まぁ、結果は目に見えているのだけどね。」

はぁ、と溜息をつき言う幽香。

なんだかんだ言ったって、私も幽香も自分が報われない事に気づいてるんだ。

霊夢はは魔理沙が好きで、魔理沙は霊夢が好き。

私達に出来るのは、諦めることしかない。

「どうしたら…魔理沙の事忘れられるのかな…」

思わず呟くと、幽香は、くすっと苦笑いした。

「それがわかれば、こんなにも惨めな気分にならないわよ」

「……、」

「霊夢と魔理沙が楽しそうにしているのを見ていると、私には見ることしか出来ないのか…って、惨めな気分になるのよ。」

「………」

「ほんと、困っちゃうわよね。」

あんなにも強くて、ドSな幽香が、私の前で弱みを吐いているのに少し驚いたような、幽香も私と同じなんだと、安心した。
自分だけが落ち込んでるんじゃない。そう思うと少し嬉しかった。

「じゃあ、二人で頑張ろ」

にっこりと笑って言うと、

「あなた誰に向かってそんな事言ってるのよ?」

「え、幽香に…」

「幽香?」

「……ゆ、幽香様に……」

「くすっ、アリスって面白いわね。」

「…え、あ……」

何が面白かったのかわからないが、笑う幽香。

初めてみた…。幽香の笑う顔…。
いつも、なんだか怖い顔しているから笑った顔を見たらなんだか………、

「?何赤くなってるのよ」

「え…!?あ、赤くなってないわよっ…!」

……何こんなドSに赤くなってんのよ私!

「ねぇ、アリス」

ニヤニヤしながら私を呼ぶ幽香。

「なによ」

「ありがとうね。心配してくれて。」

「っ‥‥!!」

笑顔で言う幽香に、ついドキドキしてしまった‥‥!

目を覚まして私!これはドS特有の飴と鞭よ!

と、必死に思い込むが、また幽香に「顔が赤いわよ」と笑われてしまう私だった。


※てるもこ (学パロ)

4月新学期。
私は、2年生に進級した。学校に来るとクラス割りが貼られてあり、自分の名前を探す。

「私は‥‥3組か‥」

自分のクラスの人の名前もチラリと見る。知り合いの名前がいくつかあったので、なんとかやっていけそうだった。

つか、私が何より嬉しかったのは、

「もこたぁぁあぁああああぁぁぁあん!!」

と、突然泣きながら私の方へと向かってくる輝夜。

「う!うわっ!輝夜っ」

「うー!もこたんとクラスが離れるなんてー!」

泣きながら私に抱き着いてくる輝夜。

そう!そうなのだ!
輝夜とクラスが離れたんだよ!
これでもう前みたいなうざい思いをすることもないし。これはもう奇跡だな!

とりあえず、私に抱き着いている輝夜を引っぺがす。

「離れろよ、だいたい同じクラスだったらだったで、また私にちょっかいばっか出してくるし、私はお前とクラスが離れた事を嬉しく思うぜ」

「好きな子に意地悪しちゃう的なノリよ!嬉しくって‥‥!もこたん、私とクラス離れて寂しくないの!?」

「むしろ泣くほど嬉しい」

「な!?」


*


そんなこんなで、新しいクラスになって2週間が過ぎた。
私はそれなりに友達もできて楽しいのだか、昼になると毎日 輝夜が一緒に昼飯を食べようと私のクラスまでくる。
私の友達と混ざって輝夜も一緒に昼飯を食べるのだが、クラス共通の話題で盛り上がって、一人違うクラスの輝夜はつられて笑って、いつも寂しそうに弁当を食べていた。
‥‥‥―――そんな顔すんなら来るなよ。といつも思った。


*


それから1ヶ月経ったある日、昼飯を一緒に食べようといつも来ていた輝夜が突然来なくなった。

もう3日位 輝夜が来なく、少し心配だったので、輝夜のクラスを覗いた。

すると楽しそうに笑顔で、私の知らない女の子達と昼飯をたべている輝夜がいた。

私と一緒に食べてる時みたいに、つられて笑ってるんじゃなくて、
本当に‥‥楽しそうに‥。

そうか。もう、私は昨年みたく輝夜と喧嘩することも、話すことも、ムカつくことも、毎日できないんだ‥。
だって輝夜には、新しい友達が出来たから、今の私はその次の次くらいの存在だよな。

ただ、輝夜が私が知らない友達と楽しく昼飯を食べている。

それだけなのに、なんでこんなに‥‥‥胸が痛いんだよ‥。


※めーさく←レミ

いつものように、私が買い物を済ませ帰って来る時には、門番の美鈴は、寝息をたて寝ていた。

「‥‥‥まったく‥」

はぁ‥、と嘆息し美鈴の頭を叩く。

「美鈴、寝てないでしっかり門番やりなさいよ」

「‥‥‥んにゃ‥、あ、咲夜さんっ‥‥」

「咲夜さん、じゃないでしょ。先に謝りなさいよ。」

「す‥すいません‥」

美鈴は、「ふぁ〜」とあくびをし、ようやく立ち上がる。

「あ、それと‥咲夜さん、おかえりなさい‥」

「あ、ただいま」

まだ寝起きだからか、いつもより鈍った声で話かけてくる美鈴。
早くちゃんと目が覚めて門番としての仕事をしてくれれば幸いなのだけれど、

「‥‥ふぁ〜、ねむっ」

‥‥‥この調子じゃ無理ね。

「美鈴、あなたいつも眠い眠いって‥いったい毎日いつ寝てるのよ?」

「ありゃ?咲夜さん、もしかしなくても私の事が心配なんですか〜?」

ニヤリとする美鈴。
なんで今のがそうなるのかしら‥‥?

「ち、違うわよ、ちゃんと仕事してもらいたいから‥‥聞いているの。」

「そうなんですかー?咲夜さん、随分お顔が赤いですがっ」

「っ!!五月蝿い!」

ガン!と思いっきり美鈴を殴りとばす。

「ぐはっ!ひ、酷いです!咲夜さん!」

「ひ、酷いとかの問題じゃな、ないでしょ!わ、わた、私があなたに赤面なんてっ」

なんだか、だんだん恥ずかしくなってきてパニックになる。

「ふふ、可愛いですよ。咲夜さんっ」

「あ、あなた本当にっ‥!」

殴るわよ、と言おうとした時、美鈴が私の頭を撫で

「可愛い咲夜さん、今日もお疲れ様です」

と微笑んできた。
‥‥もぅ‥、言いかえせないっ‥‥。
私は黙ってただ美鈴に頭を撫でられ続けた。


*


「咲夜、買い物遅いわね‥」

咲夜が買い物に出て、もう結構な時間。
そろそろおやつの時間だし‥心配だし‥と思い窓から外を見ると、美鈴と咲夜が話していたのが見えた。

「‥‥‥何 話しているのかしら‥?」

すると美鈴が咲夜の頭を撫でたり、咲夜に抱き着いたり、

この主人のおやつタイムも無視して、二人でイチャついていた。

「‥‥‥咲夜‥」


*


「すみません!お嬢様!おやつ遅くなりましたっ」

「別に‥‥、良いわよ」

「本当に申し訳ありません!」

咲夜を見るとイライラする。
咲夜が私よりも、美鈴を優先していた事が。
そして何よりは、咲夜が私には見せたことのない顔を美鈴にはしていたこと。

美鈴よりも私の方が咲夜と一緒にいるのに‥‥

そんな事を考えていると、おやつを食べる事をすっかり忘れてしまっていた私に、咲夜が「怒ってらっしゃいますか‥?」と聞いてくる。

当たり前でしょ。と言いたくなるけど、冷静に「ちょっと考え事しててね‥」と軽く返事をし、おやつをたべる。

咲夜は、「そうですか‥」と少しホッとしたような顔をして私の食べる姿をただ見る。

「‥‥見た目は、少し手抜きしてあるみたいだけれど、味は良いわ。」

と、冷静さを心に宿しても、咲夜を見るとやはり さっきの美鈴とのやり取りを思いだしイライラして、ついつい刺のある言葉を口走ってしまう。

「も、申し訳ありません、お嬢様‥」

困っている咲夜を見ているとイライラしてくる。

「別に、いいわよ。門の前で美鈴とイチャついていたのだから、おやつは手抜きになってしまっても仕方ないわよね。」

「お、お嬢様っ‥」

咲夜の声を聞きハッと我が身を振り返る。
わ、私‥いくらイライラしてたとはいえ‥なんて事っ‥‥
衝動的に言ってしまった自分の言葉に罪悪感を感じつつ、そっと咲夜の方を見た。

「お、嬢様‥‥見ていらしたんですか‥‥?」

「‥‥ええ」

「あの‥‥」

「いいわよ。もう。これから手抜きしないで、時間を守ってくれれば。別に。」

「お嬢様っ‥」

「咲夜、あなた美鈴の事好きなのでしょう?あまり恋愛とかをされると雇っているこちらが少し迷惑なのだけれど、今回は多めに見るわ。咲夜頑張りなさい。」

「お嬢様っ」

「あと、そうね。良いわ。今度あなたも3時間くらい美鈴と一緒に門番をするような仕事をあげるわ。だからその時にでも」

「お嬢様!!」

その時、いきなり咲夜が、私に抱き着いてきた。

「さ、咲夜‥?」

意味がわからず、思わず呆然としてしまう。

「あの、本当に今日のは、その、本当に申し訳ありませんでした」

「だから もう良いって‥」

「良くないです!」

「何がよ‥?」

「だって、その‥お嬢様‥、泣いてますよ‥‥?」

「え」

自分の頬に手を触れてみる。

「あ、本当‥‥」

なんで、私涙なんて流しているんだと考えていると、咲夜がさっきよりも困った顔をして離れる。

「すいません……本当に……」

「………べつに」

冷静を装っていたつもりなのに、つい変な事を口走り泣いてしまった自分にまたイラつきを感じる。

「本当に申し訳ありませんでした。」

こんな私を見て、いつまでも謝る咲夜が余計ムカついた。


※慧音←妹紅←輝夜

初めてみた。
妹紅の涙を。

いつものように、妹紅と殺しあいの喧嘩をして、妹紅が負けて、で、

妹紅が泣いた。

「‥‥‥も、妹紅?」

妹紅が負ける事なんて結構あるし、今までも妹紅が負けても泣きもしなかった。
だから‥‥
今 私は凄く混乱している‥!

「ひっ‥‥‥‥ぅ」

「あ、あのー‥?も、もこたん?もしかして そんなに痛い‥?」

「‥‥‥ぅ、ぐすっ」

‥‥‥‥‥
な ん な の ! ?

「も、もしかして私ともうバイバイするのが寂しいとか?あは!かぁいいな〜もこたんは!」

と、シリアスな空気が無理になり適当にボケてみるけど、やはり泣いてばかり。

もう どうしたら良いかわからなく嘆息しようとしたとき、

「輝夜、今日泊めろ‥」

と、泣きながら私に言ってきた。

*

これは、もこたん私の事が好きなんでしょうか‥‥?

妹紅が「泊めろ」と言い泣いている妹紅を流石に断る事が出来ず、そのまま家にあげてしまった。

家に妹紅を連れてきて「妹紅が泊まるから」と言った時のえーりんとうどんげの顔が忘れられない程2人は驚愕してた。
私も最初は聞き間違えかと思ったわよ。

最初は、やはり泣いたせいか元気があまりなかったけど、夜ご飯の時には、すっかりいつもの妹紅で口喧嘩をしながら、ご飯を食べた。

そして口喧嘩しながらやっているうちに寝る時間になっていた。

どうりで。さっきから、あくびが出てたもんね。

「もぅ、口喧嘩はおしまい。もぅ1時だし寝ましょうよ。」

あくびをしながら妹紅に言い布団に入ると妹紅が又泣きそうな目をして、

「もうちょっと、」

と言った。
もしかして妹紅、私の事が‥‥
なんて考え妹紅に聞く。

「ねぇ、今日の妹紅 変だけど何かあったの?」

「っ!」

妹紅の目が大きく見開かれる。
妹紅はわかりやすく、やはり何かあったようだ。

「ねぇ、何があったのよ?」

「お前には‥関係ねぇ‥‥」

弱々しい泣きそうな声で言う妹紅。
確かに私には関係ないけど、自分の好きな人が泣きそうな顔してたら誰だって‥‥‥

「‥‥私は泣いてる妹紅が嫌いだから。だから何かあるなら話なさいよ」

「っ!」

又 妹紅が目を見開らく。

「ねぇ、妹紅、」

「‥‥‥れたんだよ‥」

「え?」

「フラれたんだよ!今日‥‥‥慧音にっ‥‥‥」

涙をこぼしながら妹紅は言った。

「ず、ずっと好きでっ‥‥ぐすっ‥‥‥頑張って告白したけどっ‥‥‥ぐすっ‥‥‥妹にしか思えないって‥‥」

「‥‥‥‥」

「‥‥だから今日‥家に帰ったら慧音が居そうで‥‥‥帰りたくなくて‥‥」

「‥‥‥‥‥」

「お前といたら慧音の事考えなくて済むと思ってっ‥‥」

泣きながら答える妹紅。
それよりこっちが泣きたいわよ。今 私も失恋したわよ。

私だって、ずっと妹紅の事が好きだったのに、、、

「ひっ‥‥‥ぅぅ」

また私の目の前で声を出しながら泣く妹紅。

「慧音の事を思って泣かないでよ‥‥」

「かぐ‥‥‥や‥?」

「私を思って泣いてよ‥‥」

「‥‥‥‥‥かぐ」

「私が嫌いで嫌いででも良いから私を思って‥‥泣いてよ‥‥。慧音の事で泣かないで、よ‥‥」

ついつい本音が出て私まで泣いてしまった姿を見て妹紅が「ごめん‥」と言った。

私は気持ちを抑えきれず、妹紅を力いっぱい抱き寄せた。

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