#ac1_total#
誠めぐ | ナノ
※誠司→→めぐみ

「ねえ、相楽くんと愛乃さんってつき合ってるの?」

知らない女子たちに呼ばれて人気のない廊下に来てみれば、女子三人が俺を囲んでよく聞かれる質問をしてきた。

「いやだから、俺とめぐみはただの幼なじみだから」

何度他人にその言葉を言ったであろう台詞をその女子たちに言ってやると「ほんとに!?そっか!」と俺の気持ちも関係なさそうに嬉しそうな顔をして去っていく。

きっとさっきの女子たちの中に誰か俺を好きな子いたんだろうなと自慢じゃないがなんとなくわかる。
そしていつも俺とめぐみがつき合っているか否か聞かれる。もちろん俺とめぐみはつき合ってなんかないが毎度毎度同じ台詞を吐くたびに、女子が笑顔になることが少しいらつく。

「誠司ー!」

女三人の壁から解放されてホッとした途端に、めぐみが手を振って来た。

「なんかびっくひしちゃったよー!さっき誠司に話しかけようとしたら女の子たちに囲まれてたから話しかけられなくてさー。なんの話ししてたの?」

「あ、えっと、お、俺とめぐみがつき合ってるかどうか知りたかったらしい」

一瞬、めぐみにそのことを話そうか迷ったが、めぐみの反応に興味がありそのままのことをめぐみに言ったが、

「どうみてもわたしと誠司がつき合ってるなんてみてないのにねっ」

と、俺とつき合ってると間違われるのが困ってるかのように苦笑いをしてそう言った。
好きな奴にそういう言い方されると、なんというか頭にくる。
俺はやっぱりめぐみにとってはただの幼なじみでしかないのかと。それ以上ではないのだというのとが痛感させられて、さっきの女子たちにめぐみとのことを言ったときみたいに苛立ちが芽生えてくる。

「なんでみんな勘違いするんだろうねー?」

「じゃあさ、もう一緒にいるのやめようぜ」

「…え?」

「もうお互い中学生だしさ、中学生なのに男女が仲良くしてたらそりゃ皆勘違いもすんだろ。」

やめろ 

「俺もさいちいち聞かれて否定するのもめんどくさいしさ」

やめろ
何言ってんだよ俺

「めぐみだってさ、俺なんかとつき合ってるとかいつも勘違いされてうんざりすんだろ」

やめろ
めぐみは悪気があっていったんじゃないのに
何女々しく変なこと言ってんだよ俺

「もうさ、学校では一緒にいないほうがさ…」

止まれ
俺の勝手な口
止まれよ!

「せ…誠司…?」

めぐみの声に我に返り、目の前にいるめぐみを改めて見ると、めぐみはなんだか不安そうな顔をして俺を見つめていた。
……なにバカなことしてんだろ。俺ってば。

「ごめん、ちょっとどうにかしてたわ俺。じゃあな」

こんな情けない自分をこれ以上めぐみに見せたくなくて、めぐみの前から去ろうとした瞬間、

「待って!」

瞬発力は良いめぐみに手を掴まれてしまった。

「わたしは、誠司とつき合ってるってみんなが勘違いするのは誠司に迷惑がかかるから嫌だけど、わたしは誠司とつき合ってるって勘違いされてもうんざりなんてしないよ!」

だから、なんで、そういうこと言うんだよお前は。

「ごめんね。誠司が迷惑ならわたし、極力学校で誠司に話しかけるのとか我慢するから…。ごめん…。」 

わかってるんだ。お前が俺をどう思っているのかなんて。俺の好きとお前の好きは違うってこと。
でもさ、そんなことお前に言われたら俺だって少しは自惚れんだろ。

「冗談だって。だいたい学校でも俺が側にいてやんなきゃお前どうすんだよ。バカ。」

頭の中はいろいろおかしくなりそうなのに抑えて平然とした顔でめぐみの頭を撫でると、めぐみはパアッと目を輝かせる。

そんな、俺の気持ちなんか何一つわかってないバカでかわいい顔が今日も愛おしくて、憎たらしい。

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