#ac1_total#
りつあり | ナノ
※六花性格悪いキャラ崩壊

なんでもお見通しな顔して本当は一番臆病者ってことがなんとなくわかってきた頃から、ありすが愛おしくなってきた。

二人っきりになって、真剣な顔で「かわいいね」なんて言うと、いつもの余裕の顔なんてなくなって顔を真っ赤にして俯くありすがとても愛おしい。

小さい頃から、経済的な立場でも、精神的な立場でも、ありすには勝てないと一目置いた存在だったけど、ある日気づいてしまったのだ。ありすが本当は私のことが恋愛感情的な意味で好きだってこと。

それからありすと会う度に感じていた自分たちとは立場が違うなんていう劣等感なんて消え去って、ありすに甘い言葉を囁く度にいつもの余裕の顔が崩れていくありすを見るのがとても心地よかった。
勉強面でも、なんでもありすには勝てなかったからまさかこんなことで勝つなんて思ってもみなかったから優越感がたまらない。

それに、ありすのこんな崩れたマヌケな顔を知っているのは私だけ。マナもまこぴーもきっとセバスチャンでさえ知らないだろうありすのこんな顔を知っている私。みんな可哀相に!ありすのこんな崩れた愛おしい顔を知らないなんて!

なによりも一番おもしろいのは、ありすはこんなにも私が好きだってのに、私はありすのことなんてこれっぽっちも好きじゃないってことか一番おもしろい!私の嘘っぱちの甘い囁きなんかに騙されて顔まで崩しちゃって本当おもしろい!
え?さっき、ありすを愛おしいって言ったのに好きじゃないのはなんで?ちがうわ。その愛おしいは全然違う。なんにも気づいてないありすが可哀想で愛おしいって言う人を小馬鹿にした意味なの。

それに私が一番好きなのは、一番愛おしくて愛しているのはマナだって行うのに、そんな簡単なことに気づかないで私の言葉に顔を崩すありすがたまらない!


ありすとは長年一緒にいたけど、私はありすのことなんて特に好きでもなんでもなかった。
マナが…、マナがありすのことを好きって言ったから、友達っていったから私も大好きで愛おしいマナに合わせていただけ。
本当は、ありすなんて特に好きでもないし、むしろ苦手だった。
いつも一人で大人びた笑みなんか浮かべちゃって。まるで、あなたたちとは次元が違うんですよなんて見せつけられてるみたいで本当に嫌だった。そうね、ありすの一番嫌いなところはどこ?と質問されたら私は、あの汚い笑みって答えるわね。

だから、嫌いな奴が自惚れて顔を崩している顔を見るとたまらなく心地よい。
今まであんなに余裕な大人びた笑みなんか浮かべてたくせに!私より頭の回転が速いのに、こんな嘘っぱちの甘い囁きなんかにも気づかないありすは馬鹿だよ。大馬鹿さん!


こんな単純なことに気づかないくらい、ありすは私のことが好きなのに今日も恵まれない恋心を抱いて、四人で集まるのにわざわざお洒落をしてくるありすが本当に可哀相で愛おしい。ああ、なんてお馬鹿さんなのかな!

「わあ!ありすの今日のその服かわいいねぇ!」

「本当。さすがありすね!服のセンスが良くてうらやましいわ…」

ありすの服装に、まずマナが褒めてあげて、次にまこぴーが褒めてあげてるみたいだけど、ありすは私からその服装を褒めて欲しいんでしょ?私のことが大好きだからねぇ?でも残念。今ここで、褒めてなんてあげない。

だって、ありすのあの崩れたたまらなく愛おしい顔を見れるのは私一人で十分だもの。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -