| #ac1_total# 「んー……あと五分…」 わざわざ起こしに来てあげたのに、布団にくるまってなかなか起きてこようとしないマナ。 まぁ、こんなこともいつものことで私はため息をつきながらも、諦めないでマナの身体を揺らして起きなさいと繰り返し言う。 「んー……じゃあ六花が、チューしてくれたら起きる……」 「はぁ!?」 顔を少しだけ出して朝から馬鹿なことを言うマナに私はついつい大声を上げてしまう。 だって、朝からキスってなによ！ 「ね、寝ぼけてないでさっさと起きる！」 「えー……奥さんのおはようのチューがないと起きれないよー…」 「誰が奥さんよ！」 「ねー…六花ぁ…」 いつもは二重のマナが目覚めたばかりで眠いのか、一重くらいの目で私を見つめる。 もうマナはただ単に、朝からキスをしたいだけなんじゃないかなんて思ってきた。 「あ、朝からキスなんてできる訳ないでしょ！もう！起きてってば！」 そう言い、私はマナの毛布を引っ剥がしてやろうと思い、マナの毛布を掴んだとき、マナが私の手を引いた。 「きゃ!?」 いきなり手を引かれて、私は勢いよくマナのベッドの上に身体を預けるように、マナと一緒に寝っ転がってしまった。 「ちょっと！マナ！」 起きあがろうとしたとき、ぎゅっ、とマナが私の身体に抱きついてきた。 「おはようのチューしてくれないなら、六花も一緒に寝よ？」 ああ、この生徒会長様は。 なんで私にはこんなに甘えん坊さんなの。 とりあえず、私は学校を遅刻するわけにも行かないので、マナにキスをするしかなかったのだった。もちろん、頬にだけども。 |