埋葬ごっこ

「例えば溺れていくことに似ているんだと思う。俺は水を求めのたうちまわるサカナだ。きっと見つけた途端に周りなんて見えなくなって、そしていつしか溺れてしまうんだ。それに気づきもせずに、愚かなサカナだとお前は笑うだろうか。でも、だからと言って同情はしないでくれ。情を貰えるほど、俺は綺麗な存在なんかじゃないんだ。悲しまないでくれ。お前に悲しい顔は似合わないよ、俺はお前に笑っていてほしいんだ。」「なに、それ、プロポーズ?」「わかんねえ、なあ、ひとつ我が儘言わせて」「うん」「名前、呼んで。前の名前呼んでほしい」「…新一?」「…っ」
涙は流さず、だけど泣いているコナンを抱き締める。彼を知らず知らずの内に追い詰めていたのだろうか、俺は。小さなからだでは収まりきらない悩みたちを、いつか俺も一緒に抱けるだろうか。そうなればいいのに、なんでこんなに難しいんだろう。だけどどうしてこんなにも、彼は儚く、美しいんだろう。
きっとサカナは俺なんだよ。喉の奥で囁いた。




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