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一人旅とは…?




霖さんからの頂き物。



「とりあえず荷物はこんな感じかな」

トランクに荷物をせっせと詰めているのには嬉しいことがあるからだ。
なんとこの度、念願の海外旅行に行けることになったからだ。ただ、一人旅な事には不安があるが‥‥
まぁなんとかなるだろうと甘い考えをこの時は持っていた。

空港までトラブルなく順調に事が運んでおり意気揚々と私は‥‥

「行ってきます。」
誰に向かってというわけもなく離陸時に心の中でそう呟いていた。

「着いたー!やってきましたアメリカ!
 空港も雰囲気やっぱ違うねー!」
無事に到着した事に嬉しさで私は忘れていた。
ここはアメリカである事、日本ほど治安が良くない事を。

公共交通機関を利用してタイムズスクエアまで到着し、記念撮影兼自慢用の写真撮影に夢中になった。
トランクから手と目を離して‥
「すごい、すごい!テレビとか雑誌で見たまんま!
本当に来れたんだ!感動ものだよー」

「はぁ‥幸せ!よし、とりあえずホテルに荷物預けに行こうかな」

ってあれ?荷物の位置おかしくない?というより動いてる‥よね。

「‥ど、泥棒?!ちょっとそこのハゲ!!待ちなさいよ!トランク返せー」

「チッ!気づかれたか!誰が待つか!」

やばいやばいやばい!貴重品は身につけてるけど!
トランクお気に入りなのに、この旅行のために奮発して買ったんだよ!

「だ、誰か!そこのハゲ止めて!止めてくれたらあとは何とかするから!お願いー」

「はい。そこまでだ。」

「おわっ?!いってー!誰だてめー!邪魔するんじゃねー殺すぞ!」

「ほぅ。やれるならばやってみればいい。」

あっ、あの人は‥何でこんなところに。
てか、犯人可哀想な事になってるよ。本当何者なんだよ。
とりあえずまた、助けられちゃった。

「はぁはぁ‥‥あ、ありがとうございます。助かりました。赤井さん。」

「あぁ。何でこんな事になってるんだ?名前」

私はこれまでの経緯を正直に話した。恥ずかしかったけど!

「フッ。なるほど。間抜けな話だな」

くっそー。笑われた‥

「それよりもですよ!何でここに居るんですか??」

「ん?ちょっとした用事があってな。
名前はこの後どうする予定だ?」

はぐらかされたな。用事ってなんだよ!気になるじゃないか!
まぁ、聞いたところでどうこうも無いのだが。
はぐらかされたら興味持っちゃうじゃないか。

「はぁ、この後はホテルに荷物預けに行って観光の続きでもしようかと考えてました。」

「ふむ。そうか、ならそのまま着いて来い。
面白い所に連れて行ってやる」

「えっ。いえ、お断りします。」

幸先悪いが、せっかくの一人旅だ。例え恩人といえどそこは邪魔されたくないのだ。

「ほぅ。そうか。名前なら興味あるとおもったんだがな。アメリカでしか体験出来ない事だったんだが。残念だ。」

「‥‥アメリカでしか体験できない事。
ま、まさか」

「行かないのだろう?まぁホテルまでは送って行ってやる」

えっ、えっ!もしかして!日本で体験出来ないって事は‥!

「待ってください!やっぱり行きます。連れて行ってください」

赤井さんに助けてもらってびっくりしたなぁ。
ほんと進出鬼没だよなぁ、
しかも案内まで申し出てくれるとは。
怖いけど‥正直怖いけどありがたい!
そんな事を考えながら赤井さんの車に揺られる事数十分。

「着いたぞ」

「あっはい。わー!」

やっぱり!そうだ!実は興味あったんだよね!
絶対1人じゃ来れなかったよ!

「射撃場見るのもはじめてか?」

「当たり前じゃないですか!日本でなんて出来るとこ知らないですし、海外も、初めてですから」

「そうか。的に当てれるようには教えてやる。」

「えっ。教えてくれるんですか?!」


本当に?!というより赤井さんが教えてくれるんだ。てっきりお店の人が指導してくれるのかと思ってたよ。

「なんだ?嫌なのか?」

「そんな事ありません!早くいきましょう!」

それから、赤井さんに指導があり、
後ろから抱きしめられてるような形でフォームを整えてくれて、標準の合わせ方は一緒に狙いを定めてくれるのですごく顔が近い。
でも手取り足取り教えてくれたお陰で1人でも的に当てれるようになってすごくすごく嬉しかったのだよ。
ただね、ただね、
心臓に悪い、イケメンは本当にずるい、その一言に尽きる!

「ほぅ。意外と筋がいいな。何か武道でもしてるのか??体幹がしっかりしている。」

「ほんとですか?!一応武術は齧ってます。」

赤井さんに褒められた!なんだか嬉しい!
自然と顔が綻ぶのが自分でも分かる。

「って何頭撫でてるんですか?子供扱いしないでください!」

「あぁ、すまない。ちょっと知り合いを思い出してついな。」

ただでさえイケメンなのに!そんな事されたら照れるじゃないですか!

「そろそろ帰るか。ホテルどこだ?送っていく。」

「あ、はい!連れてきてくださってありがとうございました!楽しかったです!」

私は赤井さんの言葉に甘えてホテルの名前と場所を伝えた。
帰りの車の中でも景色を楽しみあっという間にホテルに着いた。

「赤井さん、今日は色々ありがとうございました。
このお礼は日本に帰ってからさせてください!」

「楽しみしてる。アメリカは治安が良くないからな。気をつけないとまた泥棒に合うぞ。」

と笑顔で。
完全にからかわれてる。事実だから仕方ないが‥
最後の最後に台無しだよ。

「もう、同じ失敗はしませんよ!」

そう返事をすると赤井さんは呆れたような笑ったような顔をして手を振ってまたなと車を発車させた。

「ふぅ、今日は怒涛の1日だったな。泥棒に会うし赤井さんに助けてもらって更に射撃まで経験できるなんて。ふふっ、なんだかんだ幸せな旅行になったな。
コナンくんや快斗達に自慢してやらなきゃ」

私は充実した気分でホテルに入って行った。


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