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「ごめん、ブン太、別れよう」


ねえ、ごめん。
そう言って、俺の前でその人は泣いていた。恋人だった。うつむいて顔を隠すようにこぼれた髪の間から、ポロポロと涙をおとす彼女をみていると、胸の内はどうしてもやるせない気持ちが占めていく。


これでも、幸せだったんだけどなあ。


だけどそう思っていたのは結局のところ自分だけで、彼女には伝わっていなかったのが現実で。今更この独りよがりな気持ちを口にしても何も変わらないんだろう。だから黙ったまま、すぐ目の前にある別れをぼんやりと思っていた。

ポケットに潜むリングケースを、ただただ邪魔に感じながら。






「よお、おつかれさん」

「…おー、仁王」

借りているアパートの2階の階段を登れば、部屋の扉の前に座る男がいた。中学からの部活仲間で、何の縁か同じ大学へ進学した悪友。

相変わらずな銀髪を日に反射させながら、だるそうにあげた手にはビール缶、反対の手にはツマミが持たれている。


「人ん家の前で何してんだよい。うわっ酒くさ」

「昼から飲むのもな、たまにはええかと思っ
て」

「酒、あんまり強くねえだろ。肌赤くなるんだからほどほどにしろよ…って、もう遅えか」

顔や腕をみれば案の定、いつもの白い肌が赤く色づいていた。切れ長な瞳も心なしか緩んでいる気がする。


「仕方ねえなあ、本当」

ブン太はため息をつきながら隣へ腰をおろし、酒臭い友人からビールを奪い口をつけた。俺のビール…とこぼす声は聴こえなかったことにする。

手のひらで生温くなったアルコールが、ずるりと喉元を通り抜けていった。



ーーあーあ。不味い。








***
某お題から。恋人に振られたブン太と仁王くんの話、の冒頭だけ。気が向いたら続く。







オレの心は、貴方だけのものだ。愛しているよ。

ーーなんて、熱烈でドロドロに甘ったるいこの言葉は、最近流行りの恋愛ドラマで、これまた最近人気急上昇中の俳優が言った台詞だ。

スラリとしているようで程よく筋肉のついた体、それにあの整った綺麗な顔からもたらされる率直な言葉が、世の女性には大変評判がいいらしく。
学校でも例に漏れず、連日女子の間で途切れることなく彼の名前が飛び交っていた。




「あーあ、もう聞き飽きたぜ、あの名前…」
「そうやのう」

昼休みの屋上。パンをかじりながら目の前の赤髪、ブン太はうんざりとした口調でぼやいている。
大抵の男子と同じく、少年漫画やアクションものの話にしか興味のないブン太からすれば当然の反応である。かくいうそのぼやきを聞いた仁王も、同じような気持ちには変わりないのだが。

「女子は皆、ああいう男がいいのかねえ。どっちかっつうと女顔だし優男っぽいじゃん」
「ブン太、お前さん鏡見てみい。もれなく女顔が映っとるよ」
「うるせえなあ、俺は格好いいの」
「格好いいねえ…」


触れば柔らかい髪、光の下ではアメジストが輝いているような瞳とそれを縁取る長いまつげ。またやわらかい唇に、男子のなかでは低めの身長(本人曰く成長期がまだ来ていないらしい)。

可愛い、という形容詞のほうがしっくりくると思うけど。
それを口にすればすこぶる機嫌が悪くなるのは目に見えているため、仁王は心の中でごちておく。


そんなことを思われているとはつゆ知らず、ブン太はまた不満気に口を開く。


「大体さ、よくあんなベタな台詞で皆喜ぶよなあ。大好きー、とか。ドラマだからいいけど、実際に言われて嬉しいのかよい」
「まあ多分、一度は言われてみたいっていう、乙女心じゃろ」
「乙女心って…。…分かんねえ」


ガシガシと前髪をかき混ぜてうなる姿に、仁王は小さく笑う。
そして芽生えた、小さな悪戯心。



「ーーーだったら一回、言われてみる?」

「ーは?」



何を言ってるんだと仁王をみたブン太の、空いている方の細い手を両手で包みこみ、真っ直ぐに見つめて。
大きくはないけれど、はっきりと届くように言い放った。


「ブン太、あのな」



ーー愛してるよ。心から。



ブン太の口元についていたパンくずがボロリ、と地面へ落ちていった。



あい…?愛して…?
包まれた手をそのままに、言われた言葉をかみ砕くように繰り返しながら、意味を理解しようとするブン太を仁王は面白く思いつつ、緩くみつめる。

そして理解した途端、鮮やかな髪に負けないくらいほおを真っ赤にし、慌てて手を振り払った姿は、やはり格好いいよりも可愛いが似合うなあと思った。



「こんの…、仁王!」
「なあに、ブン太。そんな顔で睨まれてもまーったく怖くなかよ。可愛い子」
「うるせえ!可愛いって、言うな、あと、いきなり言うのはやめろ…」
「すまんのう、ついな」

少しも悪びれることもない口調で謝りつつ、からからと詐欺師は笑う。


「それで、ベタベタな甘ったるい言葉を言われた感想はどうですか、丸井さん」
「…う、ああその、なあ」


片手で覆った顔はまだまだ熱い。完全に赤みが引くのはまだ時間がかかりそうだ。
ブン太は指の隙間からチラリと周りをみて、自分たち以外の人がいない事が分かると、照れをごまかすように大きく息をはいた。

「乙女心ってやつ、ちょっと分かった気がする」


ーー心臓、止まるかと思っただろい。



そう言い眉を下げて困ったように、だけど少しだけ嬉しそうに笑うから。


たまには甘い言葉も悪くない。そう思いつつ、仁王は俳優よりも誰よりも魅力的で、とても可愛い彼へと腕をまわすのだった。








***
某診断「愛してると伝えたら」の結果を元にうまれました。こんな中学生はいないね。ごめんね。





仁王くん誕生日おめでとう!小話





身体についた泡を洗い流し、湯気の立つ浴槽にゆっくりと浸かっていく。じんわりと全身を包み込んでいく温かさに、思わず大きな息がもれた。
ばばんばばんばんばん。たまに小さく歌を口ずさみながら、仁王は今日の一日をぼんやり思い返した。


今日は仁王の誕生日である。家では家族から、学校では友人達からたくさん祝いの言葉をかけてもらった。テニス部後輩の赤也に至っては、「おめでとうッス!仁王先輩!」と休憩時間にまで教室にやって来てお祝いしてきた。部活までを含めそれはもう何十回と。正直うっとおしかった。

幸村もそう感じたのだろう、部活終了後に静かに、赤也へ注意をしていた。(その場面は遠くから見たために内容は聞こえなかったが、赤也の顔が引きつったのはよく分かった)


とにかく、皆から祝われるのはやはり嬉しいものだ。
何人かの女子からは菓子をもらった。テニス部のメンバーからは帰り道に肉まんを奢ってもらった。
小さな事だが、良い一日だったと思う。

ーー肝心の奴が一人、学校に来ていなかった事以外は。



「まさか、アイツに限って風邪を引くとはの…」


ナントカは風邪を引かないと言うのに、と目をつむれば今頃はまだ布団と友達であろう、赤髪のアイツが目に浮かぶ。

風邪引いた。今日は休む。
今朝届いたその一言の連絡にお大事にな、そう返事をしてから音沙汰がないまま、今に至る。

別に誕生日を特別視している訳ではないし、他人からスルーされてももちろん寂しいなんて事も思わない。
思わないのだが、ほんの少し。


アイツからの「おめでとう」が無いことだけは寂しい、なんて思ってしまったのは事実だった。

我ながら女々しい、そう苦笑いをこぼした時、そんな時間を終わらせる声が脱衣所の外から聞こえてきた。姉だ。




あんたいつまで入ってるのよ、遅いし早く出な!

怒る姉には逆らうべからずと、長年の経験から学んでいる仁王はしぶしぶ浴槽からあがる。体を拭いて服を着ていれば、早く着替えなさいよとさらに急かされる。

この鬼姉貴。何か言った?いや、別に。
なんて事だ、地獄耳かあの女。入浴を邪魔された仕返しに少しゆっくり着替えようと思ったが、その後に投げかけられた姉の言葉に、慌てて着替えざるをえなくなった。


リビングで携帯が鳴ってたわよ、丸井って子から着信。





髪も適当に水滴を拭き取っただけで、足早にリビングへ向かう。いつもならテーブルに並んだ唐揚げを一つ拝借するところだが、その手間すら惜しく感じて、携帯を片手に部屋へと急いで戻る。

ご飯は?後で食うから!
一階から問う母の声におざなりに答えつつ携帯を見れば、姉の言った通り、確かにアイツからの不在着信が残っていた。時間は10分前。


軽く息を整えて、リダイヤル。
1コール。2コール。3コール。

頼む、出ろ、出てくれ。


ーーコール音が途切れる。
相手が話しだすよりも先に、待ちきれずに口を開いた。

「もしもし?すまん、風呂入っとった」
「…おせえ」

一つ間が空いて聞こえてきた、やや不機嫌そうな声。いつもより熱っぽくこもっていて、かすれてはいるけれど。

この声。

この声を今日は聞きたかった。


「すまんて。それよりお前さん、体調はどうじゃ。少しは元気になったんか」
「あー…、まだだりいけど、今朝よりはまし」
「そうか」
「今朝なんてよ、のどがあんまりにも痛くて、声が出なかったんだぜ…」

だからさ、赤也にメールしたんだよい。
まだのどが痛むのか、ブン太は普段よりゆっくりとした口調で続ける。

「今日、赤也がやけにつきまとってこなかったか?」
「…しつこいくらい祝われた。あと昼にケーキを押し付けてきよった」
「それ頼んだの、おれ」
「は?」


気の抜けた声が出てしまった。

聞けば、風邪で声が出ないブン太の分まで仁王を盛大に祝ってくれたら、英語の宿題を手伝ってやるとメールしたらしい。だから赤也のやつ、付きまといながら「俺の英語の宿題がかかってるんッス!」なんて言ってたのか。
相変わらず単純な後輩である。

いたずらが成功したような、笑いを含んだ声が電話口から漏れてくる。風邪を引いてるのだから大人しく休んでおけばいいものを、と呆れ混じりにため息をついた。

そう思っていても、ブン太が自分の体調よりも、こちらの事を考えた行動とその気持ちだけで、先程までの一抹の寂しさなんてものは、どこかへ行ってしまったのだから。

…本当に、この男は。



「で?感想は」
「…まあ、ちと対応は面倒だったが、嬉しくなくはなかよ。可愛い後輩が頑張って祝ってくれたんじゃ。ありがとさん」
「喜んでんのかよ、それ」
「当たり前じゃ。でも」
「でも?」
「お前さん、今は声が出るくらいには回復したから、こうして電話くれたんじゃろ?だから」



ーだから、やっぱり本人の口から祝ってもらえると、もっと喜ぶんだけど。



そう言えば、ブン太がうろたえたように小さく唸ったような声がした。

それから、あー、あのなあ、そのつもりで電話したんだけどよ、と呟いて。


「…そんなストレートに言われちゃ、なんか、こっ恥ずかしくて言えねえだろい」

「ええじゃろ。…なあ、言って」



電話の向こうで口ごもりながら照れているだろうブン太に、甘えるように、お願いしたのであった。





"誕生日、おめでとう"




…余談だが、電話の後も髪を乾かさず過ごしたためか、次の日にもれなく風邪を引いてしまったのは、誕生日に免じて許してほしいところだ。






ーまたなー跡部ー!
ーお疲れ様でした!


レギュラーと他の部員の声を背に聞きながらコートを後にする。電話で正門まで車を呼ぶよう指示を出し、自身は樺地と共に正門へ足を向けた。

二人分の足音とあわせ、樺地の持つ大量の袋がガサリと擦れあう音が聞こえる。
きらびやかなものからシンプルなものまで、どれも上質な包装紙に包まれた、「跡部様へ」と書かれたメッセージカード付きのそれらは、本日誕生日を迎えた跡部へ、生徒達からの贈り物である。自宅にもこれ以上に届いているだろう事は、毎年恒例のため想像に難くない。

この氷帝学園の敷地の広さは誰がみても広大である。どこへ向かうにも距離は短いとはいえない。



ーー建物自体は立派だが、歩くには少しばかり面倒な広さだな。

ため息をつき、いつもなら抱かない、そんな思いを胸に跡部は歩く。その足取りは心なしか重たい。
その理由は、朝から今に至るまで、怒涛の祝いの言葉ならびに贈り物攻撃にあっていたからではない。
確かにそれらも一因ではあるが、主な原因はレギュラーメンバーである向日と慈郎の二人組にある。

放課後、ユニフォームに着替える為部室の扉を開けた瞬間、「跡部ー!ハッピーバースデイ!」と満面の笑みと共に叫びながら飛び掛ってきたのである。


ーそれぞれ、見慣れぬ白いパイを片手に。



反射的に身の、主に顔面の危険を察し、とっさに悪ガキ共の足を引っかけ転倒させることで事なきを得たが、当然のように今日の練習メニューを倍増させた。

バースデイサプライズのつもりだったのに!跡部の鬼!と嘆きながら外周に励む奴らに、「こんなサプライズを考える暇があるなら筋トレでもしてろ!!」と怒鳴り返したことで、跡部が要らぬ体力を使うはめになったのはごく自然な事だ。

ちなみに、その悪巧みともいえる計画を止めることなく静観していた宍戸や日吉達も、同じく通常より厳しい練習メニューにされたのはここだけの話である。



そんな訳で、どんな形であれ祝われた事は嬉しく思いつつも、いつもより疲れを感じた体を動かし目的地まで向かっていると、遠くからでも分かるような鮮やかな赤色の頭がみえた。

深緑の制服に身を包み、テニスラケットのバッグを肩にかけ、緩く門に寄りかかっている。ぼんやりと空を仰ぐその姿は、この学園のどこか凛とした雰囲気からはやや浮いているような、そんな印象を受ける。
アイツは確か、立海3年のーー。


「丸井か。そんなところで何をしてる」

「…おー、跡部じゃん。お疲れい」

声を掛けると、ようと手を上げ軽く挨拶をされる。何の用か再度問えば、丸井は「ジロくんを待ってるんだよ」とガムを膨らませた。話しながらガムを噛むんじゃねえ、行儀が悪い。

「慈郎ならコートだ。腕立てがまだ終わってなかったはずだからな」
「腕立て?こんな時間までか?もう19時過ぎてんだろい」
「アイツと向日の馬鹿二人がこの俺様に、馬鹿な事を企みやがったもんでな。その礼に今日は馬鹿共に特別メニューを追加してやったんだよ」
「…今馬鹿って3回言ったな?怖い」

まあ、あれ位の量ならもう少しで終わるだろう。丸井の顔をみれば、

「(特別メニュー…幸村くんみたいな事するのな…)」
何を思ってか、口元を若干引き攣らせていた。そうか、お前もそのクチか。幸村も苦労してるんだろう。



「まあ、ジロくん達が何をしたかは敢えて聞かねえけどさ…まあいいや。跡部、これやるよ」
そう言って唐突に白い箱を渡される。軽い、小さな箱の隙間から漂うのは、かすかな甘い香り。

「これは…ケーキ、か?」
ケーキ。その単語に一瞬、放課後のパイ襲撃サプライズが頭によぎり、すぐにかぶりを振る。

「そ。ここに来る途中にケーキ屋があってさ。コレ、美味そうだなあって思って買ったんだけど、食べたら俺にはイマイチだったから」

まあ好きな奴は何個でも食べられそうなケーキだと思うけど、と頬をかきつつ続ける。


「俺も最初はジロくんに渡そうと思ってたんだけど…」

跡部の後ろに佇む、樺地の抱えた大量の荷物をみやり、ニカリと一言。


「よく考えたら、跡部、今日誕生日だろい?だから、誕生日プレゼント!」



その言葉に思わず、呆気にとられてしまった。これが、この俺への誕生日プレゼント?

手元の箱へ視線を向ける。
側面には小さく、店の名前であろうロゴが印字されている。普段は専属シェフの作ったものか、あるいは名の知れた店から取り寄せた菓子のみ口にする跡部にとって、その名前は見慣れないものであった。おそらく一般的な、ありふれた店なのだろう。
慈郎から押し付けられ食べた事はあっても、自ら買った事はない、一般人が口にする菓子。

さらに丸井は、そんなものの中で自分の好みではなかったものを「プレゼント」として渡してきた。
好みであったなら、とっくにヤツの腹の中に収まっていたようなものを。



ーー面白い。

思わず口の端が上がるのが分かった。


「仕方ねえな。俺の口に合わないかも知れねえが、ありがたく貰ってやる」
「うっわ、一言余計だろそれ。まっ、お返しは期待せずに待っとくぜい」

お返しを貰う気でいるような、冗談めいた口調でそう返すと、丸井は跡部の横をすり抜け学園内へ歩き出した。コートにいる慈郎を迎えに行くのだろう。
こちらへ背を向けたまま、ゆるりと手を振りつつ去っていった。


「改めて誕生日、おめでとうなー」

「ーああ。感謝する」




丸井の姿が遠く小さくなった後、おもむろに箱の中のケーキを手掴みで取り出す。

そのままかぶりつけば、途端に濃厚な生クリームと生地の甘ったるい味が口の中に広がる。後ろから樺地が手が汚れます、とハンカチを差し出してきたが、それも断りそのまま最後まで食べきった。



なかなかいい誕生日プレゼントじゃねえの、丸井。



深いアイスブルーの瞳を楽しそうに細め、一人笑う。

気づけば、先程までの疲れも感じなくなっていた。





***
ハッピーバースデイ、跡部様!





上の跡部誕小話の、話が長くなりそうだったためにボツにした設定。


跡部様の誕生日。朝から校内では生徒から、部活に行けば部員から祝いの言葉と贈り物の嵐。嬉しいけど多すぎてちょっとお疲れ気味な跡部様。
部活終わりに車を待ってるとブン太に遭遇。なんでここに?ジローに用があるとブン太。突然ブン太から箱をもらう。何だ?開けるとケーキが。ここに来る途中に買ったケーキが好みじゃなかったからやるというブン太。ちょっと照れてる。ブン太が食べ物を人に分けるとは考えにくい。どういうつもりか尋ねようとしたがそこにジロー登場。
丸井君!勝負しよう!ジローに引っ張られてコートに連れてかれるブン太。あ、跡部ー誕生日おめでとうなー。引っ張られながらお祝いの言葉を投げるブン太。
誕生日知ってた事の驚き、でも俺だから他校の奴でも知ってるか。なんて納得してるとふらっと仁王くん登場。なんでお前もここに?ブン太のお守り。立海は暇なんだなと言っても、これぐらいでうち(立海)がやられるはずない、何せ王者なのだから。と仁王くん挑発発言。いうねえ。
ちょっと空気がピリッとしたけど仁王くんがいつも通りの態度にもどり、ブン太を追いかけ跡部の横を通りすぎようとする。とその前に立ち止まり、ちらとケーキの箱を見やる。今度はちょっとどことなく不機嫌な仁王くん。「…それ、ブン太の手作りだから」心して食べろ、捨てたりなんかしたら怒るぞみたいな事を跡部にいう。そして去る。
一瞬呆気にとられた跡部様。ブン太が少し照れていた理由、仁王くんが不機嫌な理由を悟り笑みが浮かぶ。そのままケーキを手掴みで食べる。どんな一流シェフのものより美味いと感じた。
それから後日、ブン太宛に跡部からのお返しが届けられ、その品物が一目で高価と分かるようなものでブン太アワアワ、でも喜ぶ。仁王くんはその様子をみてご機嫌斜めになるのを立海メンバーがからかう、みたいなお話。







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