力を増幅させるブレスレットを3つもつけたこの腕は、何故だかとても滑稽で溜め息が出てくる。先程から堅く閉じられたこの扉の前で、あたしは自分の心臓の音を手のひらで感じた。 「名前、いい加減に機嫌治しなさいよぉん」 返事は無い。こんこん、扉と手がぶつかる音を繰り返し響かせても、名前は返事をしない。こんなに悲しいことってある? 「あんた、アタシが負けるとでも思ってんの?冗談じゃないわねぇ。」 じれったい。右足を振り上げて思いっきり扉に突きつけると、頑丈だったはずのそれは、ただの屑になってしまった。 暗い部屋の奥に置いてあるベッドの布団は、こんもりと山を作っている。小さく小刻みに揺れている、声を殺して涙を流しているらしい。 「名前ったら。」 「っ嫌…」 「あらま」 ふるふると頭を横に振る名前は、やっぱり顔をくしゃくしゃにして泣いている。隣に腰を下ろして肩に手を添えると、びくんと跳ねた。 「縁起でもない事考えてんじゃないわよ名前。ほら顔拭いて、」 「姐さ…っ、」 「ん」 まふ、アタシの胸に顔をうずめて、涙で服を濡らした。すすり泣くこの子は、小さい子どもみたいね。 「約束するわぁん、絶対帰ってくるってね。だからいつもみたいな顔して頂戴。」 いつもみたいに茶化しながら手を振って、 「ねえ名前、アタシ、あんたの事大好きよん!好きな人置いてどっか行くなんてことする女じゃないわ、」 だからどうか泣き止んで頂戴。 「姐さん、」 「なあに?」 「お願い、絶対帰ってきて、」 「もちろんよぉ」 「あと1つお願い、」 「何よぉ、欲張りね。」 「あのね…、あたしを、」 愛してほしいの。 . アタシの太ももに乗った腰が、びくびくと電流が走ったように痙攣する。ぐちゅ、粘着質な厭らしい体液が指に絡みつく。密着した上半身は、互いの胸を潰し合い、突起がコリコリと刺激される。しっとりした肌が温かい。 「っあ、あぁ、ひっ…!」 「可愛い、名前ったらこんなにして、」 「ふあっあ、ん!」 割れ目から顔を出しているクリトリスをきゅっと引っ張ると、名前は肩を震わせて達してしまった。どろ、また体液が溢れてくる。 「姐さ、あっ、は…あぁっ!」 「名前ばっかりずるいわぁん」 「あ、ごめっなさ、」 瞳をうるうるしながら見つめられると苛めたくなっちゃうわ。指を突っ込んで名前の1番すきなトコロの手前で止めてやる。あんあん喘いでいた名前は、戸惑ったような表情をみせる。 「名前の指、アタシにも頂戴。」 「っ…わかった、」 名前の厭らしい姿を見てどろどろになったアタシのソコは、名前の指をすんなり受け入れた。慣れない手付きがもどかしくて、逆に夢中になってしまいそう。 「名前ったら、っ…へた、くそねぇんっ…」 「だって初めてで、」 「判ってるわよっ…だからアタシの真似して頂戴…」 「ま、ね?っひぁあんっ!!」 動きを止めていた指を イイトコロ に突きたてると、名前のソコはきゅうっと指を締めあげた。アタシの指を真似しなさい、耳元で囁くと、アタシのナカの指もじわじわと動きだす。 「あ、そこっ…そこ、いいわぁっ、」 「んん…っあ、っああ、は、ひっ…」 どちらの穴から聞こえるのか判らないぐちゅぐちゅという卑猥な音が喘ぎ声と一緒に響いて、2人の呼吸が短くなる。腰もゆらゆらと揺れて、もうアタシも名前も限界みたい。 「姐さあぁっ!もぉだめぇっ、いっちゃあ、あっあ、あ、!」 「いいわ、名前、一緒にっ…イきましょぉっ…」 「ああっあ、いくっ、いくいくっ、さそり、なっ…っ…!!」 「んく…!!」 しっかりと肩を密着させ、ほぼ同時に痙攣した。名前はそのままアタシに体を預けて眠ってしまう。可愛いわね、もう。 アタシは、名前をベッドに寝かせて布団を被せてからアジトを出た。 どうしてかしら、昨日に戻れたらなんて考えてしまうのは。アタシは、すぐにここに戻るはずなのにね ラストショー (名前、いい加減菓子を焼くのは、) (サソリーナ姐さん、帰ったらいつもあたしのお菓子たべたいって騒ぐから、また今日もきっと) (名前だからね、何度も言うけど) 今日はもう終わったんだよ。 |