「トリックオアトリート!!」 「はい」 「えっ」 ぽん、と差し出されたオレンジ色の袋の中身はキャンディとチョコレートだった。名前は行事にあまり興味が無いし、さっきまで名前を囲んでいたクモジャキーもサソリーナも席を外したからチャンスだと思ったんだけど 「イタズラされちゃたまんないから」 「…流石名前、僕の考えを読むなんてね」 「大体クソヘビの単純な考えなんか判るから」 ふいっと顔を逸らしてソファーで雑誌を読む名前は、自分用であろうカゴに入った大量のチョコレートの一つを口に放り込んだ。ぷっくりした形のいい唇が可愛らしい。 「このお菓子、せっかくだけど要らないよ」 「無理矢理イタズラしようとしてもそうはいかないからね?」 「イタズラなんかしないよ、」 カゴをテーブルにどけて隣に座り、名前の肩に腕をまわす 小さな名前の体はすっぽりと僕の腕におさまってしまう。あぁ可愛い、今日は香水はつけていないようでシャンプーの香りがする。香水で誘うような女の子も好きだけど、うん、名前はシャンプーや石鹸の香りが似合うかな。 「お菓子はこっちのチョコ貰うよ。」 名前の唇に自分の薄い唇を重ねた 重ね、 「こんのナルシコブラァァァァ!!!!!」 「名前から離れなさぁぁあい!!!!!」 「ギャンッ!?」 僕はいつの間にかホコリが舞う中 家具にうもれて倒れていた。 あたし、今日SP雇ったの。 (油断も隙もあったもんじゃないぜよ…) (名前とキスなんかさせないんだからあああん!!!) |