暗い闇の中頼りになるのは懐中電灯の光だけ さっきまでは呑気に「ライトセーバー!!」とかはしゃいでたんだが 「ちょ、もう帰りたい…」 「だらしねぇ!まだ何もでてねぇだろが」 数十年前に廃墟になった小高い丘の上の病院、うぅんいかにもって感じだ。 夏の風物詩である肝試し 言い出しっぺはあたしだけど何故かバクラか楽しんでいる 「ひゃはは、名前、ここ霊安室だったみてぇだぜぇ?」 「…!?!!?」 使われてる現役病院でも霊安室は怖いものなのに! 青いシャツをひっぱってバクラの後ろからついていくのだが 手が震えて今にもはぐれそう、 「いたっ、」 「どうした?」 「壁ぶつかった」 そんな事でいちいち声出すなよな、なんて言われてむっとした、そしてその後気づいた バクラ先に行っちゃった…!? 暗いのも手伝ってバクラの姿は見えない、ひええぇ!! このままここでバクラを待とうか、いや怖すぎる 霊安室で1人なんて拷問すぎる、嫌 ということでのろのろと携帯の灯りを頼りに歩き出した。 バクラに繋がればはやいのだがナイスシチュエーションで圏外。 こつん、こつん 足音が無駄に響く、あぁ嫌だもう帰りたい絶対ここ来ないもううああああ どれぐらい時間がたったか いや実際そんなに時間はたってないのかも いい加減怖さで足も引きずるように歩くようになった ぐり、何か引っ張られた感じがして前に思い切り倒れた もう嫌だ何だよ注射器とかかな、そう思って足元を見る、と、そこに、は、白い、球体の、いやでもごつごつした、…頭蓋骨!! そこで記憶が飛んだ。 「馬鹿じゃねえのか」 「…だって」 あたしとはぐれたのに気づいたバクラは、病院内を探し回ってくれたらしい 目が冷めたときはバクラの家だった。 「普通気絶しねぇだろ」 「怖かったんだよ!!」 ひゃははは、とバカにして笑うバクラに腹が立った 「でも運んでくれたんだよね、階段とか大変だったでしょ…ありがと、」 「階段?」 「あたし地下で倒れてたでしょ」 「はぁ?てめぇ病院の門の前に座ってたじゃねぇか」 「は、?」 「…………おい名前、足首どうしたんだ? 手形ついてんぞ?」 |